問題
赤筋線維について正しい記述はどれか。
- 白筋線維よりも疲労しにくい。
- 白筋線維よりも発生する張力が大きい。
- 白筋線維よりも収縮が速い。
- 白筋線維よりも酸素消費量が少ない。
解答: 1(白筋線維よりも疲労しにくい。)
解説
- 正しい。赤筋線維(遅筋・タイプI線維)はミオグロビンとミトコンドリアが豊富で有気的代謝(酸化的リン酸化)が発達しているため、効率よくATPを産生し持続的な収縮が可能である。白筋線維(速筋・タイプII線維)は嫌気的代謝(解糖系)が主体であり、乳酸が蓄積しやすく疲労しやすい。赤筋は姿勢保持や持久的運動に適している。
- 誤り。白筋線維の方が太く、ミオシン分子も多いため、発生する張力が大きく瞬発的な運動に適している。
- 誤り。白筋線維の方が収縮速度が速い。白筋は「速筋(fast-twitch fiber)」と呼ばれる。
- 誤り。赤筋は有気的代謝が主体であるため、白筋より酸素消費量が多い。ミオグロビンが豊富なのは酸素を大量に利用するためである。
ポイント
赤筋線維は有気的代謝が発達しており「疲労しにくい・持久型」、白筋線維は嫌気的代謝が主体で「疲労しやすい・瞬発型」という対比が最重要である。
- 覚え方のコツ: 「赤筋=赤い血が巡る=酸素豊富=有気的=マラソン選手の筋」「白筋=白い=酸素少ない=嫌気的=短距離走者の筋」と連想する。
- 関連知識: 姿勢保持筋(抗重力筋)には赤筋が多く含まれ、長時間の姿勢維持に適している。加齢では速筋(白筋)が優先的に萎縮し、転倒リスクが増加する。
- よくある間違い: 「赤筋は酸素消費量が少ないから疲れにくい」と誤解するケース。赤筋は酸素を多く使うからこそ効率的にATPを産生でき、疲労しにくいのである。
- 教科書では「a.骨格筋の種類」の範囲に該当する。
| 特徴 | 赤筋線維(遅筋・タイプI) | 白筋線維(速筋・タイプII) |
|---|---|---|
| 疲労耐性 | 疲労しにくい | 疲労しやすい |
| 発生張力 | 小さい | 大きい |
| 収縮速度 | 遅い | 速い |
| 酸素消費量 | 多い | 少ない |
| 代謝様式 | 有気的(酸化的リン酸化) | 嫌気的(解糖系) |
表: 赤筋線維と白筋線維の特徴比較
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント