問題
嘔吐反射について誤っている記述はどれか。
- 中枢は延髄にある。
- 喉頭蓋は閉鎖する。
- 横隔膜は弛緩する。
- 唾液分泌が先行する。
解答: 3(横隔膜は弛緩する。)
解説
- 誤り。嘔吐中枢は延髄の外側網様体に位置しており、この記述は正しい。延髄には嘔吐中枢のほか、化学受容器引き金帯(CTZ)も存在する。
- 誤り。嘔吐時には喉頭蓋が閉鎖し、胃内容物が気道に入ること(誤嚥)を防ぐ防御機構が働く。この記述は正しい。
- 正しい。嘔吐反射では横隔膜は収縮する(弛緩ではない)。横隔膜と腹筋が同時に強力に収縮することで腹腔内圧が急上昇し、胃が圧迫されて内容物が食道を逆流して口腔から排出される。横隔膜が弛緩したのでは十分な腹圧上昇が得られず、嘔吐は成立しない。
- 誤り。嘔吐に先行して副交感神経反射により唾液分泌が増加し、悪心(吐き気)を伴う。唾液は食道粘膜を胃酸から保護する役割を果たすと考えられている。
ポイント
嘔吐時に横隔膜は「収縮」して腹圧を上昇させる。弛緩ではない。
- 覚え方のコツ: 嘔吐は「おなかを締める」運動。横隔膜も腹筋もともに「収縮」して圧をかける。「吐く=力む=収縮」と覚える。
- 関連知識: 嘔吐中枢のある延髄には呼吸中枢・循環中枢・嚥下中枢も存在する。抗がん剤やモルフィンによる嘔吐はCTZを介して嘔吐中枢を刺激する。制吐薬(5-HT3受容体拮抗薬など)はこの経路を遮断する。
- よくある間違い: 横隔膜の収縮と弛緩を逆にしてしまうこと。横隔膜は収縮するときに下降して腹圧を上昇させる。嘔吐でも同様に収縮する。
- 教科書では「j.自律神経の関与する反射」の範囲に該当する。
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