問題
自律神経による拮抗支配を受けていないのはどれか。
- 心臓
- 汗腺
- 胃
- 膀胱
解答: 2(汗腺)
解説
- 誤り。心臓は交感神経(心拍数増加・収縮力増強)と副交感神経(心拍数減少)の拮抗支配を受ける典型例である。
- 正しい。汗腺は交感神経のみの単独支配を受けており、副交感神経の支配は受けない。したがって拮抗支配(交感神経と副交感神経が相反する作用を持つ二重支配)が成立しない。さらにエクリン汗腺の交感神経節後線維は例外的にコリン作動性(アセチルコリンを放出)である点も特徴的である。
- 誤り。胃は副交感神経(迷走神経)が胃運動・胃酸分泌を促進し、交感神経が抑制するという拮抗支配を受ける。
- 誤り。膀胱は副交感神経(骨盤神経)が排尿筋を収縮させ排尿を促進し、交感神経(下腹神経)が排尿筋を弛緩させ蓄尿に作用するという拮抗支配を受ける。
ポイント
汗腺は交感神経のみの単独支配であり、拮抗支配を受けない。同様に立毛筋・副腎髄質・血管も交感神経のみの単独支配である。
- 覚え方のコツ: 問710と同じく「た(立毛筋)・あ(汗腺)・ふ(副腎髄質)・け(血管)」で交感神経単独支配の器官を覚える。
- 関連知識: 問710(自律神経の二重支配を受けないもの)と同じテーマである。「二重支配を受けない」と「拮抗支配を受けない」は実質的に同義の出題である。
- よくある間違い: 唾液腺は二重支配を受けるが「拮抗支配」ではなく「協力支配」であるという見方もある(交感神経=粘稠性唾液、副交感神経=漿液性唾液で、いずれも唾液分泌を促す)。ただし国試レベルでは一般的に二重支配の例として扱われる。
- 教科書では「j.自律神経の関与する反射」の範囲に該当する。
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