問題
気道を拡張させるのはどれか。
- 気管線毛運動の亢進
- 気管支平滑筋の収縮
- 交感神経活動の亢進
- 副交感神経活動の亢進
解答: 3(交感神経活動の亢進)
解説
- 誤り。気管線毛運動の亢進は異物や粘液の排出(粘液線毛クリアランス)を促進するが、気道径の変化には直接関与しない。
- 誤り。気管支平滑筋の収縮は気道を狭窄させるため、拡張とは逆の作用である。気管支喘息はこの収縮が病的に生じた状態である。
- 正しい。交感神経活動の亢進により、アドレナリンやノルアドレナリンが気管支平滑筋のβ2受容体に作用し、平滑筋が弛緩して気道が拡張する。これにより換気量が増加し、運動時や緊急時(闘争・逃走反応)の酸素需要増大に対応する。臨床で用いられる気管支拡張薬(β2作動薬:サルブタモールなど)はこの機序を応用したものである。
- 誤り。副交感神経(迷走神経)活動の亢進はアセチルコリンを放出し、ムスカリン受容体を介して気管支平滑筋を収縮させるため、気道は狭窄する。
ポイント
気道拡張は交感神経β2受容体を介した気管支平滑筋の弛緩によって起こる。
- 覚え方のコツ: 「交感神経=闘争・逃走→走るために気道を広げる」とイメージする。逆に「副交感神経=安静→気道は狭くても大丈夫」と覚える。
- 関連知識: 気管支喘息の治療にはβ2作動薬(気管支拡張)と抗コリン薬(副交感神経遮断)が用いられる。問708(β受容体の機能)とも関連が深い。
- よくある間違い: 「気管支平滑筋の収縮=気道拡張」と誤解しやすい。平滑筋が「収縮」すると管腔は「狭窄」し、「弛緩」すると「拡張」する。
- 教科書では「j.自律神経の関与する反射」の範囲に該当する。
| 器官 | 交感神経 | 副交感神経 |
|---|---|---|
| 瞳孔 | 散大(α1) | 縮小 |
| 心拍数 | 増加(β1) | 減少 |
| 気管支 | 拡張(β2) | 収縮 |
| 消化管運動 | 抑制 | 促進 |
| 膀胱(排尿筋) | 弛緩(β2) | 収縮 |
表: 交感神経と副交感神経の作用(受容体サブタイプ付き)
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