問題
心筋の特徴として正しい記述はどれか。
- 骨格筋より不応期が長い
- 強縮する
- 体性神経により支配されている
- 絶縁伝導する
解答: 1(骨格筋より不応期が長い)
解説
- 正しい。心筋は骨格筋に比べて不応期が非常に長く、活動電位の持続時間とほぼ同じ約200〜300msである。この長い不応期があるため、次の刺激が来ても反応できず、結果として強縮(テタヌス)を起こさない。これにより心臓は規則的な収縮・弛緩のリズムを維持でき、ポンプ機能が保たれる。
- 誤り。心筋は不応期が長いため強縮(テタヌス)を起こさない。骨格筋では高頻度の刺激で強縮が生じるが、心筋ではこれが起こらない点が重要な違いである。
- 誤り。心筋は自律神経(交感神経・副交感神経)により支配されており、体性神経支配ではない。ただし心筋は自律的に拍動する自動能を持つ。
- 誤り。心筋は介在板(ギャップ結合)を介して興奮が細胞間を伝播する機能的合胞体であり、絶縁伝導ではない。
ポイント
心筋の不応期は骨格筋より著しく長く(約200〜300ms)、これが強縮を防ぎ規則的な心拍を保証する最重要の特性である。
- 覚え方のコツ: 「心筋は不応期が長い→強縮しない→規則的に拍動」の因果関係を一連の流れで覚える。
- 関連知識: 心筋の自動能は洞房結節がペースメーカーとして機能することで実現される。問578・631・640でも心筋の特徴が出題されている。
- よくある間違い: 「心筋は自律神経支配だから自分では動けない」と誤解しやすいが、心筋は固有の自動能を持ち、自律神経は心拍数や収縮力の調節を行うにすぎない。
- 教科書では「j.自律神経の関与する反射」の範囲に該当する。
| 特徴 | 心筋 | 骨格筋 |
|---|---|---|
| 不応期 | 長い(200〜300ms) | 短い(1〜2ms) |
| 強縮 | 起こさない | 起こす |
| 神経支配 | 自律神経 | 体性神経 |
| 興奮伝播 | 機能的合胞体(介在板) | 各線維が独立 |
| 自動能 | あり | なし |
表: 心筋と骨格筋の比較
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