問題
内臓痛の特徴について誤っている記述はどれか。
- 局在が明らかである。
- 持続性のうずく痛みである。
- 吐き気を伴うことがある。
- 腸間膜を伸展した際に痛みが起こる。
解答: 1(局在が明らかである。)
解説
- 誤り。内臓痛は局在が不明確(びまん性)であることが特徴であり、「局在が明らかである」は誤りである。内臓痛を伝える神経線維は体性感覚神経に比べて密度が低く、また脊髄に入る際に複数の分節にまたがって入力するため、痛みの局在が不明確になる。局在が明確なのは体性痛(表在痛・深部痛)の特徴である。
- 正しい。内臓痛は持続性の鈍いうずくような痛みが特徴であり、鋭い刺すような痛みではない。
- 正しい。内臓痛は自律神経反射として悪心(吐き気)・嘔吐、発汗、血圧変動、徐脈などを伴うことがある。
- 正しい。臓器の伸展(膨満)は内臓痛の典型的な誘発因子であり、腸間膜の伸展は痛みを引き起こす。切断や焼灼では内臓痛は起こりにくい。
ポイント
内臓痛の3大特徴は「局在が不明確・鈍い持続痛・自律神経反射を伴う」であり、体性痛との違いを明確にする。
- 覚え方のコツ: 「内臓痛=ぼんやり(局在不明)・うずく(鈍痛)・吐く(自律神経反射)」と3つの特徴をセットで覚える。
- 関連知識: 関連痛(放散痛)は内臓痛が体表の特定部位に投射される現象である。例えば心臓の痛みが左肩・左腕に放散する(心筋梗塞の肩痛)のは、心臓と肩の求心線維が同じ脊髄分節(C8-T4)に入るためである。
- よくある間違い: 内臓痛と体性痛の局在性を逆に覚えてしまうことがある。「内臓痛=局在不明確」「体性痛(特に表在痛)=局在明確」と対比する。
- 教科書では「e.内臓求心性神経の働き」の範囲に該当する。
| 特徴 | 内臓痛 | 体性痛(表在痛) |
|---|---|---|
| 局在 | 不明確(びまん性) | 明確 |
| 痛みの性質 | 鈍い、うずく | 鋭い、刺すような |
| 自律神経反射 | 伴うことが多い | 少ない |
| 誘発刺激 | 伸展、虚血、炎症 | 機械的、温度、化学的 |
表: 内臓痛と体性痛の比較
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