問題
脳波について正しいのはどれか。
- a 波は安静覚醒閉眼時に現れる。
- b 波は a 波より周波数が低い。
- d 波は運動時に多く現れる。
- 深睡眠時には脳波は平坦となる。
解答: 1(a 波は安静覚醒閉眼時に現れる。)
解説
- 正しい。α波(8〜13Hz)は安静覚醒閉眼時に後頭部を中心に出現する脳波である。リラックスした覚醒状態で閉眼すると後頭葉の視覚野周辺にα波が出現し、開眼や精神活動を行うとα波は抑制される(α波の抑制、α blocking)。α波は脳波の基本律動として臨床的にも重要であり、正常成人の覚醒安静閉眼時に最も典型的に観察される。
- 誤り。β波(14〜30Hz)はα波(8〜13Hz)より周波数が高い。β波は精神活動時や覚醒時に前頭部を中心に出現する低振幅の速波である。
- 誤り。δ波(0.5〜4Hz)は深い睡眠(徐波睡眠)時に出現する最も周波数の低い脳波であり、運動時に多く出現するものではない。
- 誤り。深睡眠時には高振幅のδ波(徐波)が出現し、脳波は平坦にならない。脳波が平坦になるのは脳死の所見である。
ポイント
α波は安静覚醒閉眼時に後頭部を中心に出現し、開眼や精神活動で抑制される脳波の基本律動である。
- 覚え方のコツ: 脳波の周波数順は「δ→θ→α→β」で低い順に並ぶ。「デルタ(d)→シータ(θ)→アルファ(α)→ベータ(β)」=アルファベット逆順と覚える。状態は「深い睡眠→浅い睡眠→安静閉眼→精神活動」と覚醒度が上がる順に対応する。
- 関連知識: 脳波検査はてんかん診断に不可欠であり、てんかん発作時には棘波(spike)や棘徐波複合が出現する。レム睡眠時には低振幅速波(覚醒時に類似)が出現し、筋電図は著明に低下する。脳死判定では30分以上の平坦脳波が基準の一つである。
- よくある間違い: 「深睡眠=脳波が平坦」と誤解しやすいが、深睡眠ではδ波という高振幅の徐波が活発に出現する。脳波が平坦になるのは脳死である。
- 教科書では「c.新皮質」の範囲に該当する。
| 脳波 | 周波数 | 出現する状態 | 出現部位 |
|---|---|---|---|
| δ波 | 0.5〜4Hz | 深い睡眠(徐波睡眠) | 広範囲 |
| θ波 | 4〜8Hz | 浅い睡眠・眠気 | 側頭部 |
| α波 | 8〜13Hz | 安静覚醒閉眼時 | 後頭部 |
| β波 | 14〜30Hz | 精神活動・覚醒時 | 前頭部 |
表: 脳波の種類と特徴
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント