問題
心肺部圧受容器が関わる臓器感覚はどれか。
- 渇 き
- 空 腹
- 尿 意
- 便 意
解答: 1(渇 き)
解説
- 正しい。心肺部圧受容器(低圧受容器)が関わる臓器感覚は渇き(口渇感)である。心肺部圧受容器は心房壁や大静脈に存在し、循環血液量(静脈還流量)の変化を感知する。出血や脱水で循環血液量が減少すると、低圧受容器からの求心性インパルスが減少し、これが視床下部に伝わってバソプレシン(ADH)分泌を増加させるとともに、渇中枢を刺激して口渇感を誘発し飲水行動を促進する。血漿浸透圧の上昇も口渇感の主要な刺激である。
- 誤り。空腹感は主に血糖値の低下やグレリン(胃由来のホルモン)の分泌増加により視床下部の摂食中枢が刺激されて生じる。心肺部圧受容器は関与しない。
- 誤り。尿意は膀胱壁の伸展受容器が膀胱の充満を感知し、骨盤神経の求心路を介して中枢に伝えられて生じる感覚である。
- 誤り。便意は直腸壁の伸展受容器が直腸への便の到達を感知し、骨盤神経の求心路を介して中枢に伝えられて生じる感覚である。
ポイント
心肺部圧受容器(低圧受容器)は循環血液量の減少を感知し、バソプレシン分泌促進と渇き(口渇感)を誘発する。
- 覚え方のコツ: 「血が足りない→心肺部圧受容器が感知→喉が渇く→水を飲む→血液量回復」という一連の流れで覚える。
- 関連知識: 頸動脈洞・大動脈弓の圧受容器(高圧受容器)は動脈圧の変動を感知して心拍数・血管抵抗を反射的に調節する。低圧受容器は主に血液量の調節(バソプレシン分泌・レニン分泌)に関与する。
- よくある間違い: 口渇感を「浸透圧受容器のみの機能」と考えやすいが、循環血液量の減少を感知する心肺部圧受容器も口渇感の誘発に重要な役割を果たす。
- 教科書では「J.視床下部」の範囲に該当する。
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