問題
熟練した運動の学習に重要なのはどれか。
- 小 脳
- 視 床
- 一次運動野
- 補足運動野
解答: 1(小 脳)
解説
- 正しい。小脳は熟練した運動の学習(運動学習)に極めて重要な役割を果たす。小脳は反復練習により運動のタイミング・力加減・協調性を微調整し、運動を自動化・正確化する。小脳の登上線維と平行線維のシナプスにおける長期抑制(LTD)が運動学習の分子基盤と考えられている。手続き記憶(自転車の乗り方や楽器の演奏など、身体で覚える記憶)の形成にも小脳が深く関与する。
- 誤り。視床は嗅覚を除く感覚情報の中継核であり、運動学習の主要部位ではない。
- 誤り。一次運動野(中心前回)は随意運動の最終的な指令を脊髄に送る出力部位であり、運動学習そのものの中心ではない。
- 誤り。補足運動野は運動の企画・プログラミング(運動の順序や計画の立案)に関与するが、熟練した運動の学習の中心は小脳である。
ポイント
小脳は運動学習の中枢であり、反復練習による運動の自動化と手続き記憶の形成に関与する。
- 覚え方のコツ: 「小脳=運動の職人」→ 大脳は設計図(企画)を描き、小脳は実際の技術(熟練の技)を磨く。
- 関連知識: 小脳障害では新しい運動の学習が困難になり、すでに学習した運動の正確性も低下する。前庭動眼反射(VOR)の適応も小脳が担っており、小脳障害では注視方向性眼振が出現する。
- よくある間違い: 補足運動野も運動に関与するため混同しやすいが、補足運動野は「運動の企画・計画」に関与し、小脳は「運動の学習・微調整」に関与する。
- 教科書では「H.小脳」の範囲に該当する。
| 部位 | 運動における役割 |
|---|---|
| 小脳 | 運動学習・協調・微調整 |
| 一次運動野 | 随意運動の指令出力 |
| 補足運動野 | 運動の企画・プログラミング |
| 運動前野 | 外部情報に基づく運動の準備 |
| 大脳基底核 | 運動の開始・抑制・筋緊張調節 |
表: 運動に関わる脳の各部位と役割
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