問題
シナプスにおける化学伝達物質はどれか。
- アセチルコリン
- ビリルビン
- トリプシン
- ガストリン
解答: 1(アセチルコリン)
解説
- 正しい。アセチルコリン(ACh)はシナプスにおける代表的な化学伝達物質(神経伝達物質)である。神経筋接合部、副交感神経節後線維の終末、交感・副交感神経の節前線維終末、汗腺を支配する交感神経節後線維など多くの部位で放出される。シナプス前膜のシナプス小胞に蓄えられ、Ca²⁺流入を契機にシナプス間隙に開口分泌され、シナプス後膜の受容体に結合して情報を伝達する。
- 誤り。ビリルビンはヘモグロビンの分解産物(胆汁色素)であり、神経伝達物質ではない。
- 誤り。トリプシンは膵液に含まれるタンパク質分解酵素であり、神経伝達物質ではない。
- 誤り。ガストリンは胃のG細胞から分泌される消化管ホルモンであり、神経伝達物質ではない。
ポイント
アセチルコリンは最初に発見された神経伝達物質であり、神経筋接合部と副交感神経系の代表的伝達物質である。
- 覚え方のコツ: 主要な神経伝達物質を「アド(アセチルコリン・ドパミン)・のが(ノルアドレナリン・GABA)・グセ(グルタミン酸・セロトニン)」と頭文字で覚える。
- 関連知識: アセチルコリンの受容体はニコチン受容体(イオンチャネル型、神経筋接合部・自律神経節)とムスカリン受容体(Gタンパク質共役型、副交感神経効果器)に分類される。アルツハイマー病ではアセチルコリン系の機能低下が知られている。
- よくある間違い: ガストリンは「ホルモン」であり神経伝達物質ではない。消化管ホルモンと神経伝達物質の区別を明確にする。
- 教科書では「e.受容体」の範囲に該当する。
| 伝達物質 | 分泌部位 | 主な作用 |
|---|---|---|
| アセチルコリン(ACh) | 副交感神経節後線維、運動神経 | 骨格筋収縮、消化促進 |
| ノルアドレナリン(NA) | 交感神経節後線維 | 心拍増加、血管収縮 |
| ドパミン | 中脳黒質 | 運動調節、報酬系 |
| セロトニン | 脳幹縫線核 | 気分調節、睡眠 |
| GABA | 大脳皮質など | 抑制性伝達 |
| グルタミン酸 | 大脳皮質など | 興奮性伝達 |
表: 主要な神経伝達物質
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