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活動電位発生時に脱分極を起こす主な要因となるイオンはどれか

問題

活動電位発生時に脱分極を起こす主な要因となるイオンはどれか。

  1. 塩素イオン
  2. 重炭酸イオン
  3. ナトリウムイオン
  4. カリウムイオン

解答: 3(ナトリウムイオン)

解説

  1. 誤り。塩素イオン(Cl-)は抑制性シナプス後電位(IPSP)の発生に関与し、Cl-チャネルを通じた細胞内への流入により過分極を起こす。脱分極の主因ではない。
  1. 誤り。重炭酸イオン(HCO3-)は主に酸塩基平衡の維持に関与するイオンであり、活動電位の脱分極には直接関与しない。
  1. 正しい。活動電位の脱分極相では、電位依存性Na+チャネルが開口してナトリウムイオン(Na+)が細胞外から細胞内へ急速に流入する。Na+は細胞外液に多く細胞内液に少ないため、濃度勾配と電気的勾配の両方に従って流入し、膜電位が静止電位(約-70〜-90mV)から正の方向(+30〜+40mV程度)へ急速に変化する。この脱分極がオーバーシュートと呼ばれる。
  1. 誤り。カリウムイオン(K+)は活動電位の再分極相で細胞外へ流出し、膜電位を静止電位に向かって戻す役割を担う。脱分極の主因ではない。

ポイント

脱分極=Na+の流入、再分極=K+の流出。活動電位の2つの相をイオンの移動方向で整理する。

  • 覚え方のコツ: 「脱=ナ(Na+が入る→脱分極)」「再=カ(K+が出る→再分極)」。「ナトリウムが”なだれ込む”→脱分極」と連想する。
  • 関連知識: Na+-K+ポンプ(Na+-K+-ATPase)は3つのNa+を細胞外へ、2つのK+を細胞内へ能動輸送し、イオンの濃度勾配と静止電位を維持する。心筋の活動電位ではCa2+の流入によるプラトー相が特徴的である。
  • よくある間違い: K+を脱分極の原因と混同すること。K+は「再分極」に関与する。また、静止電位の維持にはK+の漏出が主に寄与している。
  • 教科書では「b.活動電位」の範囲に該当する。

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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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