問題
神経線維における興奮伝導で誤っている記述はどれか。
- 興奮は両方向に伝わる。
- 有髄線維は無髄線維よりも伝導速度が速い。
- 伝導速度は温度の影響を受ける。
- 興奮は隣接する神経線維に伝わる。
解答: 4(興奮は隣接する神経線維に伝わる。)
解説
- 誤り。活動電位は刺激部位から軸索の両方向に伝導する(両方向性伝導)。これは伝導の三原則の一つである。
- 誤り。有髄線維はランビエ絞輪間の跳躍伝導により、無髄線維よりはるかに速い伝導速度を持つ。
- 誤り。伝導速度は温度の影響を受け、低温ではイオンチャネルの開閉速度が遅くなるため伝導速度が低下する。局所麻酔に冷却を併用する根拠の一つでもある。
- 正しい。興奮は隣接する別の神経線維には伝わらない。これを絶縁性伝導(孤立伝導)と呼び、伝導の三原則の一つである。各神経線維は独立して興奮を伝導するため、異なる線維間で情報が混線することはない。伝導の三原則は「両方向性伝導・不減衰伝導・絶縁性伝導」である。
ポイント
興奮伝導の三原則は「両方向性伝導・不減衰伝導・絶縁性伝導(孤立伝導)」であり、隣接線維への伝導は起こらない。
- 覚え方のコツ: 「伝導は”両(両方向)・不(不減衰)・絶(絶縁)”」の3文字で覚える。シナプス「伝達」の一方向性と、神経線維「伝導」の両方向性を区別する。
- 関連知識: 伝導の三原則は神経線維に共通する性質であるが、生体内では実際にはシナプスにより一方向性の伝達が保証される。伝導速度は線維径にも比例する。
- よくある間違い: シナプス伝達の「一方向性」と混同して、神経伝導も一方向性と誤解すること。「伝導=両方向」「伝達=一方向」と明確に区別する。
- 教科書では「c.興奮の伝導」の範囲に該当する。
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