問題
神経の興奮伝導について正しい記述はどれか。
- 活動電位は両方向には伝導しない。
- 活動電位の振幅は減衰する。
- 伝導速度は温度変化に影響されない。
- 伝導速度は軸索の太さに比例する。
解答: 4(伝導速度は軸索の太さに比例する。)
解説
- 誤り。活動電位は刺激された部位から両方向に伝導する(両方向性伝導)。これは興奮伝導の3原則の一つである。ただし生体内では不応期があるため、実質的には一方向に伝わる。
- 誤り。活動電位は全か無の法則に従い、伝導中に振幅が減衰しない(不減衰伝導)。これは興奮伝導の3原則の一つである。
- 誤り。伝導速度は温度変化の影響を受ける。低温ではイオンチャネルの動態が遅くなり伝導速度が低下し、極端な低温では伝導が遮断される。
- 正しい。神経の興奮伝導速度は軸索(神経線維)の直径に比例する。太い線維ほど内部抵抗が小さく、局所電流が遠くまで流れるため伝導速度が速くなる。例えばAα線維(直径12〜20μm)は70〜120m/s、C線維(直径0.3〜1.5μm)は0.5〜2m/sと、太さと速度が対応している。
ポイント
伝導速度は軸索の太さ(直径)に比例し、太い線維ほど速く伝導する。
- 覚え方のコツ: 「太い=速い、細い=遅い」がシンプルな原則である。有髄神経では太さ(μm)×6=伝導速度(m/s)という近似式がある。
- 関連知識: 問577(伝導の3原則)や問579(C線維の伝導する情報)とも関連する。髄鞘の有無も伝導速度に大きく影響し、有髄神経は跳躍伝導により高速伝導が可能である。
- よくある間違い: 「伝導速度は温度に影響されない」と誤解しやすいが、低温は伝導速度を低下させる。臨床では冷却による神経ブロック(寒冷麻痺)がこの原理に基づく。
- 教科書では「c.興奮の伝導」の範囲に該当する。
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