問題
インスリンについて正しいのはどれか。
- 肝臓で産生される。
- グリコーゲンの分解を促進する。
- 血糖値が上昇すると分泌が抑制される。
- 細胞内へのグルコースの取り込みを促進する。
解答: 4(細胞内へのグルコースの取り込みを促進する。)
解説
- 誤り。インスリンは肝臓ではなく膵臓のランゲルハンス島β細胞で産生・分泌される。肝臓は糖新生やグリコーゲン貯蔵の場であるが、インスリンの産生部位ではない。
- 誤り。インスリンはグリコーゲンの分解を促進するのではなく、グリコーゲンの合成を促進する。グリコーゲン分解を促進するのはグルカゴンやアドレナリンの作用である。
- 誤り。血糖値が上昇するとインスリン分泌は抑制ではなく促進される。膵β細胞は血糖値の上昇を感知してインスリンを分泌し、血糖値を低下させる。血糖低下時にはインスリン分泌が減少する。
- 正しい。インスリンは骨格筋や脂肪組織などの標的細胞においてGLUT4(グルコーストランスポーター4)を細胞膜上に移動させ、グルコースの細胞内への取り込みを促進する。これにより血中グルコースが細胞内に取り込まれ、血糖値が低下する。インスリンは唯一の血糖低下ホルモンであり、グルコース取り込み促進に加え、グリコーゲン合成促進・脂肪合成促進・蛋白質合成促進(同化作用)を発揮する。
ポイント
インスリンは膵β細胞から血糖上昇に応じて分泌され、GLUT4を介してグルコースの細胞内取り込みを促進する唯一の血糖低下ホルモンである。
- 覚え方のコツ: 「インスリン=In(中に入れる)sulin→グルコースを細胞の中に入れる→血糖↓」と連想する。「唯一の血糖低下ホルモン」は最重要キーワード。
- 関連知識: インスリンの作用をまとめると「同化促進」→グリコーゲン合成↑・脂肪合成↑・蛋白質合成↑・グルコース取り込み↑。対するグルカゴンは「異化促進」→グリコーゲン分解↑・脂肪分解↑・蛋白質分解↑・糖新生↑。
- よくある間違い: 「血糖値上昇→インスリン分泌抑制」と逆に覚えやすい。「血糖↑→インスリン↑(分泌促進)→血糖↓」が正しい負のフィードバック。また産生部位を「肝臓」とする誤りも多い。
- 教科書では「f.膵臓のホルモン」の範囲に該当する。
| インスリンの作用 | 内容 | 対するグルカゴンの作用 |
|---|---|---|
| グルコース取り込み | GLUT4→細胞内取り込み↑ | — |
| グリコーゲン | 合成促進 | 分解促進 |
| 脂肪 | 合成促進 | 分解促進 |
| 蛋白質 | 合成促進 | 分解促進 |
| 糖新生 | 抑制 | 促進 |
| 血糖値 | 低下↓ | 上昇↑ |
表: インスリンとグルカゴンの作用比較
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