問題
糖質コルチコイドの作用で正しいのはどれか。
- 血糖値を低下させる。
- 血圧を低下させる。
- 胃酸分泌を抑制する。
- 炎症反応を抑制する。
解答: 4(炎症反応を抑制する。)
解説
- 誤り。糖質コルチコイド(コルチゾール)は肝臓での糖新生促進と末梢でのグルコース利用抑制により血糖値を上昇させる。低下ではない。
- 誤り。糖質コルチコイドはカテコールアミンの血管収縮作用を増強(許容作用)し、血圧を上昇させる方向に作用する。低下ではない。
- 誤り。糖質コルチコイドは胃酸分泌を抑制するのではなく促進する。胃粘膜の防御因子を低下させる作用もあり、長期使用では消化性潰瘍のリスクが高まる。
- 正しい。糖質コルチコイド(コルチゾール)は強力な抗炎症作用を持つ。ホスホリパーゼA2の抑制によりプロスタグランジンやロイコトリエンの産生を抑制し、リンパ球の増殖抑制、サイトカイン産生抑制、血管透過性の低下などにより炎症反応を広く抑制する。この作用を利用してステロイド薬が臨床で広く使用される。
ポイント
糖質コルチコイドの作用は「血糖上昇・血圧上昇・胃酸促進・炎症抑制・免疫抑制」であり、すべて「上昇or促進」の方向だが炎症と免疫のみ「抑制」である点が混同しやすい。
- 覚え方のコツ: 「コルチゾール=ストレス対応→エネルギー確保(血糖↑)+戦闘準備(血圧↑)→免疫は後回し(抑制)」と生理的意味で理解する。
- 関連知識: 副腎皮質ホルモンは3層から分泌される。球状層→アルドステロン(鉱質コルチコイド)、束状層→コルチゾール(糖質コルチコイド)、網状層→副腎アンドロジェン。「球・束・網」→「アルド・コルチ・アンドロ」と対応させて覚える。
- よくある間違い: 「糖質コルチコイド=糖に関わる→血糖低下」と誤解しやすい。「糖を新たに作る(糖新生促進)→血糖上昇」が正しい。胃酸も「促進」であり「抑制」ではない。
- 教科書では「g.副腎のホルモン」の範囲に該当する。
| 副腎皮質の層 | ホルモン | 主な作用 |
|---|---|---|
| 球状層 | アルドステロン(鉱質コルチコイド) | Na+再吸収↑、K+排泄↑ |
| 束状層 | コルチゾール(糖質コルチコイド) | 血糖↑、抗炎症、免疫抑制 |
| 網状層 | 副腎アンドロジェン | 男性化作用(弱い) |
表: 副腎皮質の3層とそのホルモン
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