問題
グルカゴンにより促進されるのはどれか。
- グルコースの細胞内への取り込み
- グリコーゲンの分解
- 蛋白質の合成
- 脂肪の合成
解答: 2(グリコーゲンの分解)
解説
- 誤り。グルコースの細胞内への取り込み促進はインスリンの作用である。インスリンはGLUT4を細胞膜に移動させて取り込みを促す。グルカゴンは逆に肝臓からのグルコース放出を促進する。
- 正しい。グルカゴンは膵臓ランゲルハンス島のα細胞から分泌されるペプチドホルモンで、肝臓でのグリコーゲン分解(グリコーゲノリシス)を促進して血糖値を上昇させる。空腹時や低血糖時にグルカゴン分泌が増加し、肝グリコーゲンをグルコースに分解して血中に放出させる。さらに糖新生(アミノ酸等からのグルコース合成)も促進する。
- 誤り。蛋白質の合成促進はインスリンの同化作用である。グルカゴンはむしろ蛋白質分解(異化)を促進し、アミノ酸を糖新生の基質として利用する。
- 誤り。脂肪の合成促進はインスリンの作用である。グルカゴンはむしろ脂肪分解(脂肪酸動員/リポリシス)を促進し、エネルギー源として利用する。
ポイント
グルカゴンは「異化ホルモン」であり、グリコーゲン分解・糖新生・脂肪分解・蛋白質分解を促進する。インスリンの「同化作用」と正反対。
- 覚え方のコツ: 「グルカゴン=壊す(分解)ホルモン→グリコーゲン分解・脂肪分解・蛋白質分解」「インスリン=作る(合成)ホルモン→グリコーゲン合成・脂肪合成・蛋白質合成」と対比する。
- 関連知識: インスリンとグルカゴンの分泌比(I/G比)が血糖調節の鍵。食後はインスリン優位(同化促進)、空腹時はグルカゴン優位(異化促進)となる。
- よくある間違い: グルカゴンとインスリンの作用を逆に覚えやすい。「取り込み・合成=インスリン」「分解・放出=グルカゴン」と明確に区別する。
- 教科書では「f.膵臓のホルモン」の範囲に該当する。
| 作用 | インスリン | グルカゴン |
|---|---|---|
| グルコース取り込み | 促進↑ | — |
| グリコーゲン | 合成促進 | 分解促進 |
| 糖新生 | 抑制 | 促進 |
| 脂肪 | 合成促進 | 分解促進 |
| 蛋白質 | 合成促進 | 分解促進 |
| 血糖値 | 低下↓ | 上昇↑ |
表: インスリンとグルカゴンの作用比較
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