問題
レニン産生によって増加するホルモンはどれか。
- アドレナリン
- アルドステロン
- グルカゴン
- バソプレシン
解答: 2(アルドステロン)
解説
- 誤り。アドレナリンは副腎髄質から交感神経刺激により分泌されるホルモンであり、レニン-アンジオテンシン系とは別経路で調節される。
- 正しい。レニンは腎臓の傍糸球体細胞(顆粒細胞)から分泌される酵素で、血中のアンジオテンシノーゲン(肝臓産生)をアンジオテンシンIに変換する。アンジオテンシンIは肺血管内皮のACE(アンジオテンシン変換酵素)によりアンジオテンシンIIに変換され、アンジオテンシンIIが副腎皮質球状層に作用してアルドステロンの分泌を促進する。この一連の経路をレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)という。アルドステロンは腎臓の遠位尿細管・集合管でNa+再吸収とK+排泄を促進する。
- 誤り。グルカゴンは膵臓α細胞から分泌され、血糖低下に応じて調節されるホルモンであり、レニンとは無関係である。
- 誤り。バソプレシンは視床下部で産生され下垂体後葉から分泌されるホルモンで、血漿浸透圧上昇が主な分泌刺激であり、レニン系とは別経路である。
ポイント
レニン→アンジオテンシンI→アンジオテンシンII→アルドステロンというRAAスの流れを一連の経路として把握することが重要である。
- 覚え方のコツ: 「レニン→アンジオ→アルド」の3段階で覚える。「RAA(ラー)系」と略称で記憶し、最終産物がアルドステロンであることを押さえる。
- 関連知識: RAAS系は循環血液量低下・血圧低下・腎血流低下時に活性化される。臨床ではACE阻害薬やARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)が降圧薬として使用される。ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)はRAASに拮抗して利尿・降圧に作用する。
- よくある間違い: レニンはホルモンではなく「酵素(プロテアーゼ)」である。レニン自体が直接アルドステロン分泌を促すのではなく、アンジオテンシンIIを介して間接的に促進する。
- 教科書では「g.副腎のホルモン」の範囲に該当する。
| 物質 | 産生部位 | 役割 |
|---|---|---|
| レニン | 腎 傍糸球体細胞 | アンジオテンシノーゲン→アンジオテンシンI |
| ACE | 肺血管内皮 | アンジオテンシンI→アンジオテンシンII |
| アンジオテンシンII | 血中で産生 | 血管収縮、アルドステロン分泌促進 |
| アルドステロン | 副腎皮質球状層 | Na+再吸収↑、K+排泄↑ |
表: レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)の構成
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