問題
下垂体後葉ホルモンが関与するのはどれか。
- 射乳
- 血糖値上昇
- 成長促進
- 血中カルシウム濃度上昇
解答: 1(射乳)
解説
- 正しい。下垂体後葉からはオキシトシンとバソプレッシン(ADH)の2種類のホルモンが放出される。オキシトシンは乳腺の筋上皮細胞を収縮させて乳汁を乳管から押し出す射乳反射を引き起こす。乳児の吸啜刺激が求心性信号として視床下部に伝わり、オキシトシンの分泌が促進される(神経内分泌反射)。オキシトシンは子宮収縮にも関与し、バソプレッシンは腎集合管での水の再吸収を促進する。
- 誤り。血糖値上昇に関与するのは成長ホルモン(GH、下垂体前葉)やACTH→コルチゾール、グルカゴン、アドレナリンなどであり、下垂体後葉ホルモンではない。
- 誤り。成長促進は成長ホルモン(GH、下垂体前葉)の作用である。後葉ホルモンは成長には関与しない。
- 誤り。血中カルシウム濃度の上昇はパラソルモン(PTH、副甲状腺)の作用である。下垂体後葉ホルモンはカルシウム代謝には関与しない。
ポイント
下垂体後葉ホルモンはオキシトシン(子宮収縮・射乳)とバソプレッシン(水の再吸収)の2つだけであり、この2つの作用を正確に覚えることが必須である。
- 覚え方のコツ: 下垂体後葉=「お産(オキシトシン→子宮収縮)」「お乳(オキシトシン→射乳)」「おしっこ(バソプレッシン→尿量調節)」の3つの「お」で覚える。
- 関連知識: 乳汁産生(プロラクチン=前葉)と射乳(オキシトシン=後葉)は別のホルモンが担当する。乳汁を「作る」のはプロラクチン、乳汁を「出す」のはオキシトシンである。
- よくある間違い: 「射乳=乳汁産生」と混同すること。射乳は乳腺にたまった乳汁を筋上皮細胞の収縮で押し出す反射であり、乳汁を作る過程(プロラクチンの作用)とは異なる。
- 教科書では「c.下垂体のホルモン」の範囲に該当する。
| 下垂体後葉ホルモン | 合成部位 | 主な作用 |
|---|---|---|
| オキシトシン | 視床下部・室傍核 | 子宮収縮(分娩)、射乳反射 |
| バソプレッシン(ADH) | 視床下部・視索上核 | 集合管での水の再吸収促進 |
表: 下垂体後葉ホルモンの合成部位と作用
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