問題
女性の性周期において体温上昇に関与するのはどれか。
- エストロゲン
- テストステロン
- プロゲステロン
- プロラクチン
解答: 3(プロゲステロン)
解説
- 誤り。エストロゲンは卵胞期に分泌が増加し、子宮内膜の増殖を促進する。体温上昇作用はなく、卵胞期は低温期に相当する。
- 誤り。テストステロンは男性ホルモン(アンドロゲン)であり、女性の性周期における体温変動には直接関与しない。女性でも副腎皮質から少量分泌されるが、体温調節とは無関係である。
- 正しい。プロゲステロン(黄体ホルモン)は排卵後に黄体から分泌され、視床下部の体温調節中枢のセットポイントを約0.3〜0.5℃上昇させる。これにより排卵後に高温期(黄体期)が出現する。基礎体温が低温相から高温相に移行することで排卵が確認でき、この二相性は臨床的に排卵の有無を推定する重要な指標である。黄体が退化するとプロゲステロンが低下し、体温も低下して月経が始まる。
- 誤り。プロラクチンは下垂体前葉から分泌され、乳汁産生を促進する。性周期の体温変動には関与しない。
ポイント
プロゲステロンは排卵後に分泌され体温を上昇させる。基礎体温の二相性(低温期→高温期)は排卵確認の臨床的指標である。
- 覚え方のコツ: 「プロゲステロン=プロ(妊娠のための)+ゲステロン=体温を上げて着床に備える」。高温期=黄体期=プロゲステロンの時期と一括で覚える。
- 関連知識: 不妊治療で基礎体温表を活用し、排卵日を推定する。高温期が短い(10日未満)場合は黄体機能不全が疑われる。高温期が3週間以上続く場合は妊娠の可能性がある。
- よくある間違い: エストロゲンが体温を上昇させると誤解すること。エストロゲンは卵胞期(低温期)のホルモンであり、体温上昇はプロゲステロンの作用である。
- 教科書では「i.卵巣のホルモン」の範囲に該当する。
| 性周期の時期 | 優位なホルモン | 体温 | 子宮内膜 |
|---|---|---|---|
| 卵胞期(月経〜排卵) | エストロゲン | 低温期 | 増殖期 |
| 黄体期(排卵〜月経) | プロゲステロン | 高温期(+0.3〜0.5℃) | 分泌期 |
表: 性周期の時期とホルモン・体温の対応
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