問題
散熱に関与するホルモンはどれか。
- オキシトシン
- サイロキシン
- グルカゴン
- インスリン
解答: 2(サイロキシン)
解説
- 誤り。オキシトシンは下垂体後葉から放出され、子宮収縮や射乳反射に関与する。体温調節には直接関与しない。
- 正しい。サイロキシン(T4、甲状腺ホルモン)は全身の基礎代謝を亢進させ、産熱を増加させるホルモンである。産熱が増加すると、それに対する代償反応として皮膚血管拡張や発汗が促進され散熱が増加する。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)では代謝亢進に伴う発汗増加・暑がり・皮膚の湿潤がみられ、これらは産熱増加に対する散熱促進反応の表れである。したがってサイロキシンは間接的に散熱にも関与する。
- 誤り。グルカゴンは膵臓α細胞から分泌され、肝グリコーゲン分解・糖新生を促進して血糖を上昇させる。散熱への直接的関与はない。
- 誤り。インスリンは膵臓β細胞から分泌され、グルコースの細胞内取り込みを促進して血糖を低下させる。散熱には直接関与しない。
ポイント
サイロキシンは産熱を増加させるホルモンであるが、産熱増加に対する代償として散熱も促進されるため、散熱にも関与するといえる。
- 覚え方のコツ: 「甲状腺ホルモン=代謝の火をつける→熱くなるから汗で冷やす」と連想する。産熱と散熱は表裏一体である。
- 関連知識: バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の典型的症状は「メルゼブルグの三徴」(甲状腺腫、頻脈、眼球突出)であるが、発汗過多・体重減少・手指振戦も重要な所見である。
- よくある間違い: 「サイロキシンは産熱ホルモンなのに散熱にも関与するのか」という疑問。産熱増加→体温上昇→代償的散熱促進の流れを理解すれば矛盾しない。
- 教科書では「d.甲状腺のホルモン」の範囲に該当する。
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