問題
血液中のカルシウム濃度調節に関与するのはどれか。
- バゾプレッシン
- パラソルモン
- グルカゴン
- オキシトシン
解答: 2(パラソルモン)
解説
- 誤り。バゾプレッシン(ADH/抗利尿ホルモン)は下垂体後葉から分泌され、腎臓の集合管で水の再吸収を促進して体液量を調節する。カルシウム代謝には関与しない。
- 正しい。パラソルモン(PTH/副甲状腺ホルモン)は副甲状腺から分泌され、血中カルシウム濃度を上昇させる最も重要なホルモンである。骨吸収を促進して骨からCaを放出させ、腎臓の遠位尿細管でCaの再吸収を促進し、さらに腎臓でのビタミンD活性化を介して腸管からのCa吸収を間接的に促進する。血中Ca濃度が低下するとPTH分泌が亢進し、上昇すると分泌が抑制されるという直接的なフィードバック機構で調節される。
- 誤り。グルカゴンは膵臓ランゲルハンス島α細胞から分泌され、肝グリコーゲン分解と糖新生を促進して血糖値を上昇させる。カルシウム代謝には関与しない。
- 誤り。オキシトシンは下垂体後葉から放出され、子宮平滑筋の収縮と射乳反射に関与する。カルシウム代謝には関与しない。
ポイント
血中カルシウム濃度の調節にはパラソルモン(PTH)とカルシトニンが拮抗的に関与し、活性型ビタミンDも重要な役割を果たす。
- 覚え方のコツ: 「カルシウム=パラソルモン」と直結して覚える。PTH(↑Ca)とカルシトニン(↓Ca)はシーソーの関係である。
- 関連知識: 副甲状腺機能亢進症ではPTH過剰により高Ca血症・骨粗鬆症・腎結石がみられる。副甲状腺機能低下症では低Ca血症によりテタニー(筋痙攣)が起こる。
- よくある間違い: バゾプレッシン(ADH)とパラソルモン(PTH)の混同。名前に「プレッシン」「ソルモン」と紛らわしい語尾があるが、ADHは水分調節、PTHはカルシウム調節と作用領域が全く異なる。
- 教科書では「e.副甲状腺のホルモン」の範囲に該当する。
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