問題
インスリンについて誤っているのはどれか。
- 血糖値を下げる。
- ステロイドホルモンである。
- ランゲルハンス島で産生される。
- 分泌低下で糖尿病になる。
解答: 2(ステロイドホルモンである。)
解説
- 正しい。インスリンは骨格筋や脂肪組織へのグルコーストランスポーター(GLUT4)の膜移行を促進し、グルコースの細胞内取り込みを増大させることで血糖値を低下させる。血糖を低下させる唯一のホルモンである。
- 誤り。インスリンはペプチドホルモン(51個のアミノ酸からなるタンパク質型ホルモン)であり、ステロイドホルモンではない。ペプチドホルモンは水溶性であり、細胞膜上の受容体に結合して作用する。ステロイドホルモンはコレステロールを前駆体とする脂溶性ホルモンであり、コルチゾール、アルドステロン、性ホルモン(エストロゲン、テストステロン、プロゲステロン)がこれに該当する。
- 正しい。インスリンは膵臓のランゲルハンス島(膵島)β細胞で産生・分泌される。ランゲルハンス島にはα細胞(グルカゴン)、β細胞(インスリン)、δ細胞(ソマトスタチン)が存在する。
- 正しい。インスリンの分泌低下(1型糖尿病)や作用不足(インスリン抵抗性、2型糖尿病)により、血糖値が持続的に上昇し糖尿病が発症する。
ポイント
インスリンはペプチドホルモンであり、ステロイドホルモンではない。血糖を低下させる唯一のホルモンである点が最重要である。
- 覚え方のコツ: 「インスリン=ペプチド=水溶性=膜受容体」。ステロイドは「すて(ステ)きなコレステロール」から作られる脂溶性ホルモンであり、副腎皮質ホルモンと性ホルモンが代表である。
- 関連知識: インスリンの受容体はチロシンキナーゼ型受容体であり、一般的なペプチドホルモンのcAMP経路とは異なる。1型糖尿病は自己免疫によるβ細胞破壊、2型糖尿病はインスリン抵抗性が主因である。
- よくある間違い: 「血糖を上げるホルモンは多数(グルカゴン、コルチゾール、アドレナリン、成長ホルモン、甲状腺ホルモン)だが、下げるのはインスリンだけ」という点を忘れやすい。
- 教科書では「f.膵臓のホルモン」の範囲に該当する。
| 分類 | 化学的性質 | 受容体の位置 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| ペプチドホルモン | 水溶性 | 細胞膜上 | インスリン、グルカゴン、GH、ADH |
| ステロイドホルモン | 脂溶性 | 細胞内(核内) | コルチゾール、アルドステロン、性ホルモン |
| アミン類 | 水溶性/脂溶性 | 膜上/核内 | カテコールアミン(膜上)、甲状腺ホルモン(核内) |
表: ホルモンの化学的分類と受容体の位置
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