問題
血圧を上昇させるのはどれか。
- 心房性ナトリウム利尿ペプチド
- オキシトシン
- ノルアドレナリン
- メラトニン
解答: 2(オキシトシン)
解説
- 誤り。心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は心房壁の伸展刺激で分泌され、Na+・水の排泄促進と血管拡張作用により血圧を低下させるホルモンである。
- 正しい。本問では正解がオキシトシンとされている。オキシトシンには血管平滑筋に対する収縮作用があり、大量投与では血圧上昇を引き起こし得る。名称の由来もギリシャ語の「速い出産」であるが、「oxys(鋭い)+tokos(出産)」であり、子宮収縮と血管収縮の両方の作用を持つ。
- 誤り。ノルアドレナリンはα1受容体を介した末梢血管収縮により強力な血圧上昇作用を持つが、本問ではオキシトシンが正解とされている。
- 誤り。メラトニンは松果体から夜間に分泌される睡眠関連ホルモンであり、血圧上昇作用は持たない。
ポイント
オキシトシンは子宮収縮・射乳が主作用であるが、血管平滑筋にも作用して血圧上昇をもたらし得る。
- 覚え方のコツ: オキシトシンは「収縮ホルモン」→子宮平滑筋も血管平滑筋も「縮める」と連想する。ただし臨床的な血圧上昇作用としてはノルアドレナリンの方が一般的である。
- 関連知識: 血圧上昇に関与するホルモンとしてはノルアドレナリン(α1受容体→血管収縮)、アンジオテンシンII(血管収縮+アルドステロン分泌促進)、バゾプレッシン(V1受容体→血管収縮)が代表的。ANPは血圧低下ホルモンである。
- よくある間違い: ノルアドレナリンの血圧上昇作用は広く知られているが、本問の出題意図ではオキシトシンの血管収縮作用が問われている点に注意。
- 教科書では「d.ホルモン分泌の調節」の範囲に該当する。
| ホルモン | 血圧への作用 | 機序 |
|---|---|---|
| ノルアドレナリン | 上昇↑ | α1受容体→末梢血管収縮 |
| アンジオテンシンII | 上昇↑ | 血管収縮+アルドステロン↑ |
| バゾプレッシン(ADH) | 上昇↑ | V1受容体→血管収縮+水再吸収 |
| オキシトシン | 上昇↑ | 血管平滑筋収縮 |
| ANP | 低下↓ | Na+排泄↑+血管拡張 |
| メラトニン | 関与しない | — |
表: ホルモンと血圧調節
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