問題
下垂体前葉ホルモンとその作用との組合せで正しいのはどれか。
- プロラクチン ―――――― 射 乳
- 成長ホルモン ―――――― 血糖値の低下
- 黄体形成ホルモン ―――― 排卵の誘発
- 甲状腺刺激ホルモン ――― 尿細管での水再吸収促進
解答: 3(黄体形成ホルモン ―――― 排卵の誘発)
解説
- 誤り。プロラクチンの作用は「乳汁産生促進」であり、「射乳」はオキシトシン(下垂体後葉ホルモン)の作用である。乳汁を「作る」のがプロラクチン、乳汁を「出す」のがオキシトシンと区別する。
- 誤り。成長ホルモン(GH)は血糖値を低下させるのではなく上昇させる。GHはインスリン拮抗作用を持ち、脂肪分解促進とともに血糖を上昇させる。
- 正しい。黄体形成ホルモン(LH)は下垂体前葉から分泌され、排卵を誘発する。卵胞の成熟に伴いエストロゲン分泌が増加し、正のフィードバックによりLHが大量に分泌される(LHサージ)。このLHサージが成熟卵胞を破裂させて排卵を引き起こす。排卵後、卵胞は黄体に変化しプロゲステロンを分泌する。
- 誤り。甲状腺刺激ホルモン(TSH)の作用は甲状腺ホルモンの分泌促進であり、尿細管での水再吸収促進はバソプレシン(ADH、下垂体後葉ホルモン)の作用である。
ポイント
下垂体前葉ホルモンの組合せ問題では、各ホルモンの作用を正確に対応させることが必須である。
- 覚え方のコツ: 「プロラクチン=プロの酪農家=乳を作る(産生)」「オキシトシン=おっぱいを押し出す(射乳)」と区別する。
- 関連知識: 下垂体前葉ホルモンは6つ(GH、PRL、TSH、ACTH、FSH、LH)。このうちTSH・ACTH・FSH・LHは「刺激ホルモン(トロピンホルモン)」として末梢内分泌腺を支配する上位ホルモンである。
- よくある間違い: プロラクチンの「乳汁産生」とオキシトシンの「射乳」の混同が最頻出。また成長ホルモンを「血糖低下」とする誤りも多い。GHは血糖上昇ホルモンの一つである。
- 教科書では「d.ホルモン分泌の調節」の範囲に該当する。
| 前葉ホルモン | 正しい作用 | よくある誤答 |
|---|---|---|
| プロラクチン(PRL) | 乳汁産生促進 | 射乳(→オキシトシン) |
| 成長ホルモン(GH) | 成長促進・血糖上昇 | 血糖低下(→インスリン) |
| LH | 排卵誘発・黄体形成 | — |
| TSH | 甲状腺ホルモン分泌促進 | 水再吸収(→ADH) |
| ACTH | コルチゾール分泌促進 | — |
| FSH | 卵胞発育・精子形成 | — |
表: 下垂体前葉ホルモンの正しい作用とよくある誤答
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント