問題
下垂体ホルモンによって調節されるのはどれか。
- アドレナリン
- インスリン
- コルチゾール
- パラソルモン
解答: 3(コルチゾール)
解説
- 誤り。アドレナリンは副腎髄質から分泌されるが、交感神経(内臓神経)の直接支配により調節される。下垂体ホルモンの調節は受けない。
- 誤り。インスリンは膵臓β細胞から分泌され、血糖値の上昇が直接的な分泌刺激となる。下垂体ホルモンの調節は受けず、血糖値によるフィードバックで調節される。
- 正しい。コルチゾールは副腎皮質束状帯から分泌され、下垂体前葉のACTH(副腎皮質刺激ホルモン)により分泌が促進される。視床下部CRH→下垂体前葉ACTH→副腎皮質コルチゾールというHPA軸の階層支配を受け、コルチゾールの上昇はCRHとACTHに負のフィードバックをかける。下垂体ホルモンによる調節を受ける代表的なホルモンである。
- 誤り。パラソルモン(PTH)は副甲状腺から分泌され、血中Ca2+濃度の低下が直接的な分泌刺激となる。下垂体ホルモンの調節は受けず、血中Ca2+濃度によるフィードバックで調節される。
ポイント
下垂体ホルモンによる階層的調節を受けるのは副腎皮質(ACTH)・甲状腺(TSH)・性腺(FSH/LH)の3系統であり、副腎髄質・膵臓・副甲状腺のホルモンは下垂体支配を受けない。
- 覚え方のコツ: 「下垂体支配=ACTH→副腎皮質、TSH→甲状腺、FSH/LH→性腺」の3軸。それ以外(副腎髄質・膵臓・副甲状腺)は独立した調節を受ける。
- 関連知識: インスリンは血糖値、パラソルモンは血中Ca2+濃度、アルドステロンはRAA系と血中K+濃度など、下垂体を介さず直接的に調節されるホルモンも多い。
- よくある間違い: アルドステロンは副腎皮質から分泌されるのでACTH支配と思いがちだが、主な調節はレニン-アンジオテンシン系である。ACTHの影響は限定的である。
- 教科書では「d.ホルモン分泌の調節」の範囲に該当する。
| ホルモン | 分泌部位 | 主な調節因子 | 下垂体支配 |
|---|---|---|---|
| コルチゾール | 副腎皮質 | ACTH | あり |
| サイロキシン | 甲状腺 | TSH | あり |
| テストステロン | 精巣 | LH | あり |
| アドレナリン | 副腎髄質 | 交感神経 | なし |
| インスリン | 膵臓β細胞 | 血糖値 | なし |
| パラソルモン | 副甲状腺 | 血中Ca2+ | なし |
表: 主なホルモンの調節因子と下垂体支配の有無
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