問題
腎臓から分泌されるホルモンはどれか。
- レニン
- パラソルモン
- バゾプレッシン
- アルドステロン
解答: 1(レニン)
解説
- 正しい。レニンは腎臓の傍糸球体細胞(顆粒細胞)から分泌されるタンパク質分解酵素である。血圧低下や腎血流量低下を感知して分泌が亢進し、血中のアンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンIに変換する。これがレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAA系)の起点となり、最終的に血圧上昇とNa・水の再吸収促進をもたらす。なお腎臓からはレニンの他にエリスロポエチン(赤血球産生促進)や活性型ビタミンD(Ca吸収促進)も産生される。
- 誤り。パラソルモン(PTH)は副甲状腺(上皮小体)から分泌される。腎臓ではなく副甲状腺が分泌部位である。
- 誤り。バゾプレッシン(ADH)は視床下部の視索上核・室傍核で合成され、下垂体後葉から血中に放出される。腎臓は作用部位であるが分泌部位ではない。
- 誤り。アルドステロンは副腎皮質球状帯から分泌されるミネラルコルチコイドである。腎臓の集合管に作用してNa再吸収を促進するが、腎臓から分泌されるのではない。
ポイント
腎臓から分泌されるホルモン様物質はレニン、エリスロポエチン、活性型ビタミンD(1,25(OH)2D3)の3つが重要である。
- 覚え方のコツ: 「腎臓の3大ホルモン=レニン(血圧)・エリスロポエチン(赤血球)・活性型ビタミンD(Ca)」と覚える。腎不全ではこれらが全て障害される。
- 関連知識: 慢性腎不全ではエリスロポエチン産生低下により腎性貧血が、活性型ビタミンD産生低下により低Ca血症・骨軟化症が起こる。臨床ではACE阻害薬やARBがRAA系を抑制する降圧薬として使用される。
- よくある間違い: アルドステロンの分泌部位を腎臓と間違えること。RAA系で腎臓(レニン)→副腎皮質(アルドステロン)→腎臓(作用部位)と臓器が変わる点に注意する。
- 教科書では「d.ホルモン分泌の調節」の範囲に該当する。
| 腎臓由来のホルモン | 産生部位 | 主な作用 |
|---|---|---|
| レニン | 傍糸球体細胞 | RAA系の起点→血圧上昇 |
| エリスロポエチン | 尿細管間質細胞 | 骨髄での赤血球産生促進 |
| 活性型ビタミンD | 近位尿細管 | 腸管からのCa吸収促進 |
表: 腎臓から分泌される主なホルモン
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