問題
日中に比べ夜間に血中濃度が高くなるホルモンはどれか。
- アルドステロン
- メラトニン
- カルシトニン
- アドレナリン
解答: 2(メラトニン)
解説
- 誤り。アルドステロンは副腎皮質球状帯から分泌され、主にレニン-アンジオテンシン系や血中K+濃度で調節される。メラトニンのような顕著な昼夜の変動はない。
- 正しい。メラトニンは松果体から分泌されるアミン型ホルモン(トリプトファン→セロトニン→メラトニン)であり、夜間の暗所で血中濃度が著明に上昇し、日中の明所では低下する。網膜で受容された光情報が視交叉上核(体内時計の中枢)を経て上頸神経節を介し松果体に伝えられ、暗所でメラトニン合成が促進される。概日リズム(サーカディアンリズム)の同調や睡眠誘導に深く関与している。
- 誤り。カルシトニンは甲状腺C細胞から分泌され、骨吸収抑制を介して血中Ca濃度を低下させる。明確な日内変動は示さない。
- 誤り。アドレナリンは副腎髄質から分泌され、交感神経活動やストレスに応じて分泌される。夜間に特異的に増加するわけではなく、むしろ活動時(日中)に高い傾向がある。
ポイント
メラトニンは「暗闇のホルモン」と呼ばれ、夜間暗所で分泌が亢進し、光を浴びると抑制される。日内リズム調節の代表的ホルモンである。
- 覚え方のコツ: 「メラトニン=夜(メラ=暗い=メラニン色素と同語源)=夜に増える」と連想する。松果体は第三の目とも呼ばれ、光周期を感知する。
- 関連知識: 成長ホルモン(GH)やコルチゾールも日内変動を示す。GHは夜間睡眠中(特にノンレム睡眠時)に分泌が亢進し、コルチゾールは早朝に最高値となる。臨床では時差ボケの治療にメラトニン製剤が使用される。
- よくある間違い: コルチゾールの日内変動との混同。コルチゾールは「早朝に最高・夜間に最低」であり、メラトニンとは逆パターンである。
- 教科書では「d.ホルモン分泌の調節」の範囲に該当する。
| ホルモン | 日内変動のパターン | 分泌部位 |
|---|---|---|
| メラトニン | 夜間に最高、日中に最低 | 松果体 |
| コルチゾール | 早朝に最高、夜間に最低 | 副腎皮質 |
| 成長ホルモン | 夜間睡眠中(ノンレム睡眠)に亢進 | 下垂体前葉 |
表: 日内変動を示す主なホルモン
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