問題
産熱に関与しないホルモンはどれか。
- カテコールアミン
- 甲状腺ホルモン
- 黄体ホルモン
- バソプレッシン
解答: 4(バソプレッシン)
解説
- 正しい。カテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)は交感神経活動と連動して代謝を亢進させ、特に褐色脂肪組織での非ふるえ産熱を促進する。
- 正しい。甲状腺ホルモン(T3・T4)は全身の基礎代謝率を上昇させ、酸素消費量を増加させることで持続的な産熱を増加させる。産熱ホルモンの代表である。
- 正しい。黄体ホルモン(プロゲステロン)は視床下部の体温調節中枢のセットポイントを約0.3〜0.5℃上昇させ、排卵後の高温期をもたらす。
- 誤り。バソプレッシン(ADH/抗利尿ホルモン)は下垂体後葉から分泌され、腎臓の集合管でアクアポリン2の発現を促進して水の再吸収を増加させるホルモンである。体液量の調節が主な作用であり、産熱には関与しない。大量出血時には血管収縮作用も発揮するが、これも産熱とは無関係である。
ポイント
産熱に関与するホルモンはカテコールアミン・甲状腺ホルモン・プロゲステロンの3つが代表的であり、バソプレッシンは水分調節ホルモンで産熱とは無関係である。
- 覚え方のコツ: 「産熱3兄弟=カテコール・甲状腺・プロゲステロン」と覚える。バソプレッシンは「バソ(血管)+プレッシン(圧迫)」=血管収縮・水分保持であり、熱ではない。
- 関連知識: 基礎体温の二相性(低温期→高温期)はプロゲステロンの作用であり、排卵の有無を推定する臨床的指標となる。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)では産熱過剰による暑がり・発汗過多がみられる。
- よくある間違い: 甲状腺ホルモンとカテコールアミンの産熱機序の違い。甲状腺ホルモンは基礎代謝の持続的亢進、カテコールアミンは急性の代謝亢進(褐色脂肪組織の非ふるえ産熱)である。
- 教科書では「d.ホルモン分泌の調節」の範囲に該当する。
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