問題
水の再吸収を促進するホルモンはどれか。
- パラソルモン
- バゾプレッシン
- グルカゴン
- カルシトニン
解答: 2(バゾプレッシン)
解説
- 誤り。パラソルモン(PTH)は副甲状腺から分泌され、血中Ca2+濃度を上昇させるホルモンである。水の再吸収には直接関与しない。
- 正しい。バソプレシン(ADH:抗利尿ホルモン)は視床下部で産生され下垂体後葉から分泌される。腎臓の集合管に作用してアクアポリン2(水チャネル)の細胞膜への挿入を促進し、水の再吸収を増加させる。血漿浸透圧の上昇や循環血液量の減少が分泌刺激となり、尿量を減少させて体液量を維持する。バソプレシンの不足は尿崩症の原因となる。
- 誤り。グルカゴンは膵臓α細胞から分泌され、血糖値を上昇させるホルモンである。水の再吸収とは無関係である。
- 誤り。カルシトニンは甲状腺C細胞から分泌され、血中Ca2+濃度を低下させるホルモンである。水の再吸収には関与しない。
ポイント
水の再吸収を促進するホルモンはバソプレシン(ADH)であり、作用部位は腎集合管である。
- 覚え方のコツ: 「水の再吸収=バソプレシン(ADH)=集合管」と3点セットで覚える。Na+の再吸収=アルドステロン=遠位尿細管と区別する。
- 関連知識: バソプレシンの分泌刺激は「血漿浸透圧の上昇」と「循環血液量の減少」である。浸透圧を感受するのは視床下部の浸透圧受容器であり、アルドステロンの分泌はレニン-アンジオテンシン系で調節される。
- よくある間違い: パラソルモンは「カルシウム」の調節ホルモンであり、「水」の調節ホルモンではない。名前の類似に惑わされないよう注意する。
- 教科書では「d.ホルモン分泌の調節」の範囲に該当する。
| ホルモン | 作用部位 | 再吸収する物質 | 分泌刺激 |
|---|---|---|---|
| バソプレシン(ADH) | 集合管 | 水 | 血漿浸透圧↑、循環血液量↓ |
| アルドステロン | 遠位尿細管・集合管 | Na+(K+排泄) | レニン-アンジオテンシン系 |
表: 腎臓での再吸収に関わるホルモン
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント