問題
体液の酸塩基平衡の維持に重要な器官はどれか。
- 腎臓
- 肝臓
- 心臓
- 甲状腺
解答: 1(腎臓)
解説
- 正しい。腎臓は体液の酸塩基平衡の維持に極めて重要な器官である。腎臓は尿細管でのH+の分泌、HCO3-の再吸収と新生、アンモニウムイオン(NH4+)の排泄を通じて血液のpHを7.35〜7.45の範囲に維持する。肺によるCO2排出(呼吸性調節)とともに、酸塩基平衡の二大調節器官の一つであり、腎臓は代謝性の調節を担う。腎臓の調節は応答が遅い(数時間〜数日)が、持続的かつ強力である。
- 誤り。肝臓はアンモニアの尿素への変換など代謝に関与するが、酸塩基平衡の直接的な主要調節器官ではない。
- 誤り。心臓は血液循環のポンプ機能を担うが、酸塩基平衡の調節器官ではない。
- 誤り。甲状腺は甲状腺ホルモン(T3/T4)やカルシトニンを分泌するが、酸塩基平衡の調節には関与しない。
ポイント
酸塩基平衡の調節は「肺(呼吸性)」と「腎臓(代謝性)」の二大機構で行われる。
- 覚え方のコツ: 酸塩基平衡=「肺と腎」の2つ。肺はCO2を素早く調節(秒〜分単位)、腎臓はHCO3-とH+をゆっくり調節(時間〜日単位)。
- 関連知識: アルドステロン(副腎皮質ホルモン)は腎臓の遠位尿細管でNa+再吸収を促進し、間接的に酸塩基平衡にも影響する。バソプレシン(ADH)は集合管での水再吸収を促進し体液量を調節する。
- よくある間違い: 肝臓も間接的に酸塩基平衡に関わる(乳酸代謝、尿素回路)が、直接的な調節器官としては腎臓と肺が正解である。
- 教科書では「d.ホルモン分泌の調節」の範囲に該当する。
| 調節機構 | 器官 | 調節方法 | 応答速度 |
|---|---|---|---|
| 呼吸性調節 | 肺 | CO2排出量の増減 | 速い(秒〜分) |
| 代謝性調節 | 腎臓 | H+分泌、HCO3-再吸収 | 遅い(時間〜日) |
| 緩衝系 | 血液(全身) | 重炭酸緩衝系、ヘモグロビン等 | 即時(秒) |
表: 酸塩基平衡の調節機構
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