問題
体液のpH調節に関与するのはどれか。
- 心臓
- 肝臓
- 膵臓
- 腎臓
解答: 4(腎臓)
解説
- 誤り。心臓は血液循環のポンプ機能を担う臓器であり、体液のpH調節には直接関与しない。
- 誤り。肝臓は代謝・解毒・胆汁産生・タンパク質合成などを担うが、体液pH調節の主要臓器ではない。
- 誤り。膵臓は外分泌機能(消化酵素)と内分泌機能(インスリン・グルカゴン)を持つが、体液pH調節の主要臓器ではない。
- 正しい。腎臓は体液のpH調節に極めて重要な役割を果たす。具体的には、近位尿細管でHCO₃⁻の約80〜85%を再吸収し、遠位尿細管・集合管の間在細胞(α型)でH⁺を分泌する。さらにNH₄⁺(アンモニウムイオン)として酸を排泄し、新たなHCO₃⁻を血中に供給する。この腎臓による調節は肺による呼吸性調節と並ぶ代謝性酸塩基平衡の要である。
ポイント
- 腎臓はH⁺排泄とHCO₃⁻再吸収により体液pH(正常7.35〜7.45)を調節する代謝性酸塩基平衡の中心臓器である。
- 覚え方のコツ: pH調節は「肺(呼吸性)と腎(代謝性)の二本柱」と覚える。肺はCO₂を速やかに排出し(秒〜分単位)、腎はH⁺排泄とHCO₃⁻再吸収でゆっくり(時間〜日単位)調節する。
- 関連知識: 肺はCO₂排出による呼吸性調節、腎はH⁺排泄による代謝性調節を担う。呼吸器系と合わせて、アシドーシス・アルカローシスの代償機構を理解しておくとよい。
- よくある間違い: 膵臓がHCO₃⁻を含む膵液を分泌するため「pH調節に関与する」と誤答するケースがあるが、膵液は消化管内のpH調節であり、体液(血液)のpH調節とは異なる。
- 教科書では「a.体液のpH調節」の範囲に該当する。
| 調節機構 | 担当臓器 | 調節速度 | 主なメカニズム |
|---|---|---|---|
| 緩衝系 | 血液中(HCO₃⁻/CO₂系など) | 即時(秒単位) | H⁺の緩衝 |
| 呼吸性調節 | 肺 | 速い(分単位) | CO₂排出の増減 |
| 代謝性調節 | 腎臓 | 遅い(時間〜日単位) | H⁺排泄、HCO₃⁻再吸収 |
表: 体液pH調節の3つのメカニズム
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