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体液の調節について誤っている記述はどれか

問題

体液の調節について誤っている記述はどれか。

  1. アルドステロンはナトリウムイオンの再吸収を促進させる。
  2. レニン・アンジオテンシン系は細胞外液量の増加で活性化される。
  3. バゾプレッシンは尿量を低下させる。
  4. 細胞外液の浸透圧の変化は視床下部で検出される。

解答: 2(レニン・アンジオテンシン系は細胞外液量の増加で活性化される。)

解説

  1. 正しい。アルドステロンは副腎皮質球状帯から分泌されるミネラルコルチコイドで、遠位尿細管と集合管の主細胞に作用してNa⁺チャネル(ENaC)やNa⁺-K⁺-ATPaseの発現を促進し、Na⁺の再吸収を増加させる。同時にK⁺の分泌も促進する。
  1. 誤り。レニン-アンジオテンシン系(RAS)は細胞外液量の減少(循環血液量の低下)で活性化されるのであり、「増加」では活性化されない。腎血流量の低下を傍糸球体細胞が感知し、また遠位尿細管のマクラデンサがNaCl濃度の低下を検出することでレニン分泌が促進される。レニンはアンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンIに変換し、ACEによりアンジオテンシンIIが生成される。アンジオテンシンIIは血管収縮、アルドステロン分泌促進、ADH分泌促進などを通じて体液量の回復を図る。
  1. 正しい。バゾプレッシン(ADH)は集合管でアクアポリン2(AQP2)を管腔側膜に挿入させ、水の再吸収を促進する。その結果、尿は濃縮されて尿量が低下する。
  1. 正しい。細胞外液の浸透圧変化は視床下部の浸透圧受容器(主に脳弓下器官や血管器官周辺のニューロン)で検出される。浸透圧が上昇するとADH分泌と口渇が惹起される。

ポイント

  • レニン-アンジオテンシン系は細胞外液量の「減少」で活性化される(「増加」ではない)。
  • 覚え方のコツ: 「RAAS=体液が減ったときの救急システム」と覚える。体液量が増加したときに活性化されるのはANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)であり、RAASとは逆方向の作用を持つ。
  • 関連知識: RAASは血圧調節にも深く関与し、高血圧治療ではACE阻害薬やARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)が用いられる。体液量調節のホルモン系は、RAAS(体液量減少時に活性化)とANP(体液量増加時に分泌)の拮抗関係として理解する。
  • よくある間違い: 「レニン-アンジオテンシン系は血圧上昇のシステム」と覚えていると、「体液量が増加→血圧上昇→RAAS活性化」と誤って推論してしまう。RAASの起動トリガーは「体液量の減少」である。
  • 教科書では「c.体液量の調節」の範囲に該当する。
調節系 活性化される条件 主な作用 結果
RAAS 細胞外液量の減少 Na⁺再吸収↑、血管収縮 体液量回復、血圧上昇
バゾプレッシン(ADH) 浸透圧上昇、血液量減少 水の再吸収↑ 尿量減少、浸透圧低下
ANP 細胞外液量の増加 Na⁺・水の排泄↑ 体液量減少、血圧低下

表: 体液量調節に関わる主な調節系

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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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