問題
腎糸球体でろ過されるのはどれか。
- グルコース
- アルブミン
- 赤血球
- 白血球
解答: 1(グルコース)
解説
- 正しい。グルコースは分子量180の低分子であり、糸球体の毛細血管壁(有窓内皮・基底膜・足細胞裂孔膜)を自由に通過してろ過される。ろ過後は近位尿細管でNa⁺/グルコース共輸送体(SGLT2、SGLT1)によりほぼ100%再吸収されるため、正常では尿中に排泄されない。血糖値が腎臓の再吸収閾値(約180mg/dL)を超えると尿糖が出現する(糖尿病の尿糖陽性)。
- 誤り。アルブミンは分子量約69,000の高分子タンパク質であり、さらに負電荷を帯びているため、糸球体基底膜のサイズバリアとチャージバリアの両方によりほとんどろ過されない。
- 誤り。赤血球は直径約7〜8μmの血球成分であり、糸球体基底膜を通過できない。尿中に赤血球が認められる場合は糸球体腎炎などの病態を示す。
- 誤り。白血球は赤血球より大きい血球成分であり、糸球体基底膜を通過できない。
ポイント
- 糸球体ろ過のバリアは分子量約7万(アルブミン相当)を境界とし、低分子(グルコース、アミノ酸、電解質など)は自由にろ過されるが、高分子や血球はろ過されない。
- 覚え方のコツ: 「ろ過されるもの=血漿成分の小さいもの(水・電解質・グルコース・アミノ酸・尿素)」「ろ過されないもの=大きいもの(血球・タンパク質)」とサイズで判断する。
- 関連知識: ろ過されたグルコースは近位尿細管で100%再吸収される(Tm:最大輸送量の概念)。糖尿病では血糖値が再吸収閾値を超えて尿糖が陽性となる。SGLT2阻害薬はこの再吸収を薬理学的に抑制する。
- よくある間違い: 「グルコースは正常尿に含まれないのでろ過されない」と誤答するケースがある。グルコースはろ過はされるが、近位尿細管で完全に再吸収されるため最終尿には含まれない。「ろ過」と「排泄」は異なる概念である。
- 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
| 物質 | 分子量 | ろ過の有無 | 再吸収 | 最終尿中 |
|---|---|---|---|---|
| グルコース | 180 | ろ過される | ほぼ100% | 正常では含まれない |
| アミノ酸 | 75〜204 | ろ過される | ほぼ100% | 正常では含まれない |
| 尿素 | 60 | ろ過される | 約50% | 含まれる |
| アルブミン | 69,000 | ろ過されない | — | 正常では含まれない |
| 赤血球・白血球 | — | ろ過されない | — | 正常では含まれない |
表: 糸球体ろ過と各物質の動態
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