問題
腎臓の集合管においてナトリウムイオンの再吸収を促進するのはどれか。
- アルドステロン
- インスリン
- グルカゴン
- コレシストキニン
解答: 1(アルドステロン)
解説
- 正しい。アルドステロンは副腎皮質球状層から分泌される鉱質コルチコイドであり、腎臓の集合管および遠位尿細管の主細胞に作用してNa⁺チャネル(ENaC)の発現を増加させ、Na⁺の再吸収とK⁺の分泌を促進する。その分泌はレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)により調節され、血漿K⁺濃度の上昇によっても直接刺激される。体液量の減少や血圧低下時にRAASが活性化し、Na⁺と水の再吸収を増やすことで循環血液量の維持に寄与する。
- 誤り。インスリンは膵臓β細胞から分泌され、血糖低下作用を担うホルモンであり、集合管でのNa⁺再吸収には直接関与しない。
- 誤り。グルカゴンは膵臓α細胞から分泌され、肝臓でのグリコーゲン分解を促進して血糖を上昇させるホルモンであり、Na⁺再吸収には関与しない。
- 誤り。コレシストキニン(CCK)は小腸I細胞から分泌され、胆嚢収縮と膵酵素分泌を促進する消化管ホルモンであり、腎でのNa⁺再吸収には関与しない。
ポイント
- アルドステロンは集合管・遠位尿細管でNa⁺再吸収を促進する唯一の鉱質コルチコイドであり、RAAS(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)の最終エフェクターである。
- 覚え方のコツ: 「アルド(aldo)=Na⁺を”あるど”こまでも再吸収」と語呂で覚える。アルドステロンの”アル”はNa(ナトリウム)の”Na”を逆さにしたイメージで関連づける。
- 関連知識: ADH(バソプレシン)は集合管で「水」の再吸収を促進するのに対し、アルドステロンは「Na⁺」の再吸収を促進する。両者の作用部位は同じ集合管だが、対象物質が異なる点を第8章・内分泌と合わせて整理しておくとよい。
- よくある間違い: ADHとアルドステロンの作用を混同するケースが多い。ADH=水、アルドステロン=Na⁺と明確に区別すること。
- 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
| ホルモン | 分泌部位 | 作用部位 | 主な作用 |
|---|---|---|---|
| アルドステロン | 副腎皮質球状層 | 集合管・遠位尿細管 | Na⁺再吸収↑、K⁺分泌↑ |
| ADH(バソプレシン) | 下垂体後葉 | 集合管 | 水再吸収↑ |
| ANP | 心房 | 集合管 | Na⁺再吸収↓、利尿↑ |
表: 集合管に作用する主なホルモンの比較
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