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尿細管中のグルコースを血液に戻す過程はどれか

問題

尿細管中のグルコースを血液に戻す過程はどれか。

  1. 拡散
  2. 再吸収
  3. 分泌
  4. ろ過

解答: 2(再吸収)

解説

  1. 誤り。拡散は物質が濃度勾配に従って高濃度側から低濃度側へ受動的に移動する過程である。グルコースの尿細管から血液への輸送は特異的な輸送体(SGLT)を介した能動的な再吸収であり、単純な拡散ではない。
  1. 正しい。尿細管中のグルコースを血液に戻す過程は「再吸収」である。再吸収とは、糸球体でろ過されて尿細管内に入った物質を、尿細管上皮細胞を介して血液側(尿細管周囲毛細血管)に回収する過程を指す。グルコースは近位尿細管の管腔側でSGLT(Na⁺-グルコース共輸送体)により細胞内に取り込まれ、基底膜側のGLUT2から血液側に放出される。この過程はNa⁺-K⁺-ATPaseが作り出すNa⁺の電気化学的勾配を駆動力とする二次性能動輸送である。
  1. 誤り。分泌は再吸収とは逆方向の過程で、血液(尿細管周囲毛細血管)から尿細管内へ物質を移動させる過程である。H⁺やK⁺、PAH(パラアミノ馬尿酸)などが分泌される。
  1. 誤り。ろ過は糸球体の毛細血管内から血圧を駆動力として血漿成分がボーマン嚢内へ押し出される過程であり、尿細管での過程ではない。

ポイント

  • 尿細管から血液への物質の回収は「再吸収」と呼ばれ、尿生成の3大過程(ろ過・再吸収・分泌)の一つである。
  • 覚え方のコツ: 尿生成の3過程は物質の移動方向で整理する。「ろ過=血管→ボーマン嚢」「再吸収=尿細管→血管」「分泌=血管→尿細管」。「再吸収と分泌は尿細管を舞台にした逆方向の輸送」と覚える。
  • 関連知識: 再吸収には能動輸送(Na⁺、グルコース、アミノ酸など)と受動輸送(水、尿素、Cl⁻など)の両方が含まれる。水の再吸収は浸透圧勾配に従う受動的な過程である。
  • よくある間違い: 「拡散」と「再吸収」を混同しやすいが、拡散は駆動力が濃度勾配のみの受動輸送を指し、再吸収は尿細管→血管方向の物質移動の総称(能動・受動を問わない)である。
  • 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
尿生成の過程 方向 部位 駆動力 代表的な物質
ろ過 血管→ボーマン嚢 糸球体 血圧(有効ろ過圧) 水、グルコース、電解質
再吸収 尿細管→血管 尿細管全域 能動輸送・浸透圧 グルコース、Na⁺、水
分泌 血管→尿細管 主に近位・遠位尿細管 能動輸送 H⁺、K⁺、PAH

表: 尿生成の3大過程の比較

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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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