問題
健常成人のクリアランス値で最も小さいのはどれか。
- 尿酸
- 尿素
- グルコース
- クレアチニン
解答: 3(グルコース)
解説
- 誤り。尿酸は糸球体でろ過された後、再吸収と分泌の両方を受ける。最終的にろ過量の約10%が尿中に排泄され、クリアランス値は約8〜12mL/minである。
- 誤り。尿素は糸球体でろ過された後、約50%が尿細管で再吸収されるが、残りは排泄される。クリアランス値は約70mL/minであり、0ではない。
- 正しい。グルコースは糸球体でろ過された後、近位尿細管でSGLT2およびSGLT1により、ほぼ100%が再吸収される。そのため正常な血糖値の状態では尿中にグルコースは排泄されず、クリアランス値は0となる。クリアランスの計算式 C = U×V/P において、尿中濃度(U)が0であるためクリアランスも0となり、選択肢中で最も小さい値である。
- 誤り。クレアチニンは糸球体でろ過された後、尿細管でほとんど再吸収も分泌もされないため、クリアランス値は約125mL/minでGFRの指標として用いられる。
ポイント
- グルコースは近位尿細管で100%再吸収されるため、クリアランス値は0(最小)である。
- 覚え方のコツ: クリアランス値の大小関係は「グルコース(0)<尿素(70)<クレアチニン(125=GFR)<PAH(660=RPF)」と数値で覚える。0は完全再吸収、GFR超えは分泌あり。
- 関連知識: クリアランスの概念は「1分間にその物質を完全に除去できる血漿量」であり、腎機能検査の基本指標である。臨床ではクレアチニンクリアランスやeGFRが腎機能の評価に広く用いられる。
- よくある間違い: 「クリアランス値が小さい=腎臓で処理されにくい」と誤解しがちだが、グルコースは十分にろ過・処理された上で再吸収されるため0になる。値が0なのは「処理されない」のではなく「完全に回収される」ためである。
- 教科書では「e.腎機能の測定 ― クリアランス」の範囲に該当する。
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