問題
健常成人の腎糸球体でろ過される物質はどれか。
- アルブミン
- 赤血球
- ブドウ糖
- γ-グロブリン
解答: 3(ブドウ糖)
解説
- 誤り。アルブミンは分子量約68,000の血漿タンパク質であり、糸球体濾過膜のサイズバリア(分子量約7万以上を通さない)およびチャージバリア(陰性荷電を持つ物質を反発する)によりろ過されない。
- 誤り。赤血球は直径約7〜8μmの血球成分であり、糸球体毛細血管の小孔(約8nm)を通過できないため、ろ過されない。
- 正しい。ブドウ糖(グルコース)は分子量180の低分子物質であり、糸球体濾過膜を自由に通過してろ過される。ろ過後は近位尿細管でNa⁺-グルコース共輸送体(SGLT2およびSGLT1)により、ほぼ全量(100%近く)が再吸収される。そのため正常尿にはグルコースは検出されない。血糖値が腎閾値(約180mg/dL)を超えると、再吸収能を超えた分が尿中に排泄される(尿糖陽性)。
- 誤り。γ-グロブリン(免疫グロブリン)は分子量約15万〜90万の大分子タンパク質であり、サイズバリアにより糸球体でろ過されない。
ポイント
- 糸球体では低分子物質(グルコース、アミノ酸、電解質、尿素など)は自由にろ過されるが、血球やタンパク質はろ過されない。
- 覚え方のコツ: 「糸球体はザル」=小さい分子は通すが、大きいタンパク質や血球は通さない。ろ過の基準は分子量約7万がボーダーライン。
- 関連知識: 糸球体濾過膜は3層構造(毛細血管内皮・基底膜・足細胞の足突起)で、サイズバリアとチャージバリアの2重の選別機構を持つ。腎疾患でこのバリアが破綻するとタンパク尿(ネフローゼ症候群)や血尿が出現する。
- よくある間違い: 「ブドウ糖はろ過されない」と誤解しやすいが、ろ過は正常に行われており、再吸収で回収されるため尿中に出ないだけである。
- 教科書では「b.糸球体濾過」の範囲に該当する。
| 物質 | 分子量 | 糸球体ろ過 | 尿細管での処理 |
|---|---|---|---|
| グルコース | 180 | ろ過される | 近位尿細管で100%再吸収 |
| アルブミン | 68,000 | ろ過されない | — |
| γ-グロブリン | 150,000〜 | ろ過されない | — |
| 赤血球 | — | ろ過されない | — |
| 尿素 | 60 | ろ過される | 約50%再吸収 |
表: 糸球体における各物質のろ過と処理
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