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腎臓による体液の調節について正しい記述はどれか

問題

腎臓による体液の調節について正しい記述はどれか。

  1. レニン・アンジオテンシン系はバゾプレッシンの分泌を促進する。
  2. アルドステロンは水素イオンの再吸収を高める。
  3. バゾプレッシンは尿量を増加させる。
  4. ろ液の水分の99%は尿細管で再吸収される。

解答: 4(ろ液の水分の99%は尿細管で再吸収される。)

解説

  1. 誤り。レニン-アンジオテンシン系の主な作用は副腎皮質からのアルドステロン分泌促進である。アンジオテンシンIIがADH分泌にも一部関与するとされるが、「バゾプレッシンの分泌を促進する」が主作用ではない。
  1. 誤り。アルドステロンは遠位尿細管・集合管でNa+の再吸収を促進し、K+とH+の排泄(分泌)を促進するホルモンである。H+は「再吸収」ではなく「排泄(分泌)」が正しい。
  1. 誤り。バゾプレッシン(ADH:抗利尿ホルモン)は集合管のアクアポリン2(水チャネル)の発現を増加させ、水の再吸収を促進する。その結果、尿は濃縮され尿量は減少する。「抗利尿」の名が示す通り、尿量を減らす方向に働く。
  1. 正しい。糸球体でろ過された原尿(約180L/日)の水分の約99%は尿細管(近位尿細管で約65%、ヘンレのループで約15%)と集合管(ADH依存性に約19%)で再吸収される。最終的に約1.0〜1.5L/日の尿が排泄される。水の再吸収は浸透圧差により受動的に起こるが、集合管でのADH依存性の水再吸収が尿の最終濃度を決定する。

ポイント

  • 原尿の水分の約99%が尿細管・集合管で再吸収され、最終尿量は約1.5L/日となる。
  • 覚え方のコツ: 体液調節の3つのホルモンを整理する。「レニン→アンジオテンシンII→アルドステロン(Na+再吸収↑)」「ADH(水再吸収↑→尿量↓)」「ANP(Na+排泄↑→尿量↑)」。
  • 関連知識: レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)は循環血液量低下時に活性化され、Na+と水の再吸収を促進して血圧と体液量を維持する。
  • よくある間違い: 「アルドステロンはH+の再吸収を促進する」と混同しやすいが、正しくは「H+の排泄(分泌)を促進する」である。また「バゾプレッシンは尿量を増やす」は逆であり、「抗利尿=尿量減少」が正しい。
  • 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
ホルモン 産生部位 主な作用 尿量への影響
バゾプレッシン(ADH) 視床下部→下垂体後葉 集合管で水再吸収↑ 減少
アルドステロン 副腎皮質 遠位尿細管でNa+再吸収↑、K+・H+排泄↑ 減少
心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP) 心房 Na+排泄↑、レニン抑制 増加
アンジオテンシンII 肺(ACE) 血管収縮、アルドステロン分泌↑ 減少

表: 体液調節に関わる主なホルモンの比較

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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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