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健康成人の尿細管で分泌される物質はどれか

問題

健康成人の尿細管で分泌される物質はどれか。

  1. ブドウ糖
  2. アンモニア
  3. 重炭酸イオン
  4. ナトリウムイオン

解答: 2(アンモニア)

解説

  1. 誤り。ブドウ糖は糸球体で濾過された後、近位尿細管のSGLTによりほぼ100%再吸収される物質であり、尿細管からの分泌は行われない。
  1. 正しい。アンモニア(NH3)は尿細管(特に近位尿細管と集合管)の上皮細胞内でグルタミンの脱アミノ反応により生成され、管腔側へ分泌される。管腔内でH+と結合してNH4+を形成し、これが尿中に排泄されることで酸の排泄を担う。アシドーシスの状態ではアンモニア産生・分泌が増加し、H+の排泄を促進する適応反応が起こる。
  1. 誤り。重炭酸イオン(HCO3-)は近位尿細管を中心に約85%が再吸収される物質であり、分泌ではなく再吸収が主な動態である。HCO3-の再吸収は酸塩基平衡の維持に重要である。
  1. 誤り。Na+は近位尿細管からヘンレのループ、遠位尿細管、集合管にわたって再吸収される物質であり、分泌物質ではない。

ポイント

  • アンモニア(NH3)は尿細管で分泌される代表的物質であり、酸塩基平衡の維持(酸の排泄)に不可欠な役割を果たす。
  • 覚え方のコツ: 「分泌されるもの=NH3・H+・K+・PAH」をまとめて覚える。いずれも「体から出す方向(血液→管腔)」の物質である。
  • 関連知識: 代謝性アシドーシスではNH3産生が増加して酸排泄が促進される。慢性腎不全ではこの代償が不十分となり代謝性アシドーシスが進行する。
  • よくある間違い: 「HCO3-は分泌される」と混同しやすいが、HCO3-は再吸収される物質である。尿細管ではH+が分泌されることでHCO3-が間接的に再吸収される仕組みとなっている。
  • 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
物質 再吸収 分泌 酸塩基平衡との関連
NH3(アンモニア) なし あり H+と結合しNH4+として酸を排泄
H+(水素イオン) なし あり 直接的な酸排泄
HCO3-(重炭酸イオン) あり(85%) なし 緩衝作用の維持
ブドウ糖 あり(100%) なし 直接関連なし
Na+ あり(99%) なし 間接的にH+分泌と連動

表: 尿細管における主な物質の動態と酸塩基平衡

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この記事を書いた人

黒澤一弘(株式会社SBCHAプラクシス代表・つむぐ指圧治療室・東京都立大学 解剖学実習非常勤講師)
鍼灸師、按摩マッサージ指圧師、柔道整復師などの国家試験に向けた解剖学の知識向上を応援します。初学者にも分かり易く、記憶に残りやすい講座を心がけています。

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