問題
健康成人の尿について正しいのはどれか。
- 血漿と同じ組成である。
- 間質液と同じ組成である。
- 窒素代謝物を含む。
- 蛋白質を含む。
解答: 3(窒素代謝物を含む。)
解説
- 誤り。尿は糸球体でろ過された後、尿細管での再吸収・分泌を経て組成が大きく変化しており、血漿とは全く異なる組成である。
- 誤り。間質液は細胞外液の一種で血漿に近い組成であるが、尿は不要な代謝老廃物が濃縮されたものであり、間質液とも大きく異なる。
- 正しい。健康成人の尿には尿素、尿酸、クレアチニンなどの窒素代謝物が含まれる。尿素はタンパク質・アミノ酸代謝の最終産物で肝臓の尿素回路(オルニチン回路)で合成され、尿中に最も多く含まれる窒素代謝物である。尿酸はプリン体代謝の産物、クレアチニンはクレアチンリン酸の代謝産物である。これらはいずれも分子内に窒素原子を含むため窒素代謝物と総称される。
- 誤り。正常尿にはタンパク質は含まれない。タンパク質は分子量が大きいため糸球体のサイズバリア・チャージバリアを通過できない。尿中にタンパク質が検出される場合は蛋白尿であり、腎疾患の徴候である。
ポイント
- 健康成人の尿には窒素代謝物(尿素・尿酸・クレアチニン)が含まれるが、タンパク質・ブドウ糖は含まれない。
- 覚え方のコツ: 「正常尿の3大窒素代謝物=尿素・尿酸・クレアチニン」と3つセットで覚える。いずれも分子中にN(窒素)を含む。
- 関連知識: 尿素は肝臓の尿素回路で合成される。肝不全では尿素合成が低下し血中アンモニアが上昇する。
- よくある間違い: 「蛋白質は少量なら正常尿にも含まれる」と思いがちだが、通常の尿検査で検出されるレベルのタンパク質は異常所見である。微量アルブミン尿は早期腎障害の指標となる。
- 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
| 尿中の窒素代謝物 | 由来 | 産生部位 |
|---|---|---|
| 尿素 | タンパク質・アミノ酸代謝 | 肝臓(尿素回路) |
| 尿酸 | プリン体(核酸)代謝 | 肝臓 |
| クレアチニン | クレアチンリン酸代謝 | 筋肉 |
| アンモニア | アミノ酸の脱アミノ | 腎臓の尿細管上皮細胞 |
表: 尿中の主な窒素代謝物とその由来
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