問題
糸球体におけるろ過に関与しない圧はどれか。
- 糸球体における血圧
- 尿管内圧
- 血漿の膠質浸透圧
- ボーマン嚢内圧
解答: 2(尿管内圧)
解説
- 誤り。糸球体の血圧(約45〜50mmHg)はろ過の駆動力として直接関与する。糸球体血圧が高いほどろ過量は増加する。
- 正しい。尿管内圧は糸球体濾過には直接関与しない。糸球体濾過に関与する3つの圧は、(1)糸球体血圧(約45mmHg、ろ過を促進)、(2)血漿の膠質浸透圧(約25mmHg、ろ過を抑制)、(3)ボーマン嚢内圧(約10mmHg、ろ過を抑制)である。有効濾過圧は「糸球体血圧-(膠質浸透圧+ボーマン嚢内圧)=45-25-10=10mmHg」で計算される。尿管は腎盂から膀胱へ尿を輸送する管であり、糸球体のろ過機構とは解剖学的にも離れている。
- 誤り。血漿の膠質浸透圧(約25mmHg)はアルブミンなどのタンパク質による浸透圧であり、ろ過を妨げる方向(血管内へ水を引き戻す方向)に作用する。
- 誤り。ボーマン嚢内圧(約10mmHg)は嚢内の液圧であり、ろ過を妨げる方向に作用する。
ポイント
- 糸球体濾過に関与する圧は「糸球体血圧(促進)」「膠質浸透圧(抑制)」「ボーマン嚢内圧(抑制)」の3つであり、尿管内圧は関与しない。
- 覚え方のコツ: 有効濾過圧の公式「糸球体血圧-膠質浸透圧-ボーマン嚢内圧=45-25-10=10mmHg」を数値とともに暗記する。
- 関連知識: 有効濾過圧の概念はスターリングの法則(毛細血管での体液交換、第2章)と原理が共通している。膠質浸透圧の低下(低アルブミン血症)ではGFRが増加する。
- よくある間違い: 「尿管が詰まればろ過に影響する」と考えがちだが、尿管閉塞は水腎症を起こし腎盂内圧を上昇させるものであり、糸球体の有効濾過圧に直接含まれる圧ではない。
- 教科書では「b.糸球体濾過」の範囲に該当する。
| 圧 | 値(mmHg) | ろ過への影響 |
|---|---|---|
| 糸球体血圧 | 約45 | 促進(駆動力) |
| 血漿膠質浸透圧 | 約25 | 抑制(血管内へ引き戻す) |
| ボーマン嚢内圧 | 約10 | 抑制(嚢内から押し返す) |
| 有効濾過圧 | 約10 | 正味のろ過力 |
| 尿管内圧 | — | 関与しない |
表: 糸球体濾過に関与する圧の一覧
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント