問題
健康成人の尿細管再吸収が100%近い物質はどれか。
- 尿素
- 尿酸
- ブドウ糖
- カリウムイオン
解答: 3(ブドウ糖)
解説
- 誤り。尿素は糸球体でろ過された後、約50%が再吸収され、残りの約50%は尿中に排泄される。100%近い再吸収ではない。
- 誤り。尿酸は近位尿細管で再吸収と分泌の両方を受ける。最終的に約10%が尿中に排泄されるため、100%近い再吸収ではない。
- 正しい。ブドウ糖(グルコース)は糸球体で自由にろ過された後、近位尿細管の管腔側にあるNa+-グルコース共輸送体(SGLT2が約90%、SGLT1が約10%を担う)により能動的に再吸収され、正常血糖値の範囲ではほぼ100%が再吸収される。このため健康成人の尿中にはブドウ糖はほとんど検出されない。血糖値が腎閾値(約170mg/dL)を超えるとSGLTの輸送極量(Tm)を超え、尿糖が出現する。
- 誤り。K+は近位尿細管で約65%が再吸収されるが、遠位尿細管ではアルドステロンの作用で分泌が行われ、最終的な排泄量が調節される。100%近い再吸収ではない。
ポイント
- ブドウ糖とアミノ酸は近位尿細管でほぼ100%再吸収される代表的物質であり、正常尿中には検出されない。
- 覚え方のコツ: 「ほぼ100%再吸収=ブドウ糖・アミノ酸」「約99%再吸収=水」「約50%再吸収=尿素」と再吸収率を数字で覚える。
- 関連知識: 糖尿病では血糖値が腎閾値を超えるため尿糖が出現する。SGLT2阻害薬は近年の糖尿病治療薬で、あえてブドウ糖の再吸収を阻害して尿中排泄を促す。
- よくある間違い: 尿素を「100%再吸収」と思いがちだが、尿素は約50%しか再吸収されず、正常尿中に最も多い窒素代謝物である。
- 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
| 物質 | 再吸収率 | 再吸収部位 | 輸送機構 |
|---|---|---|---|
| ブドウ糖 | ほぼ100% | 近位尿細管 | Na+-グルコース共輸送(SGLT) |
| アミノ酸 | ほぼ100% | 近位尿細管 | Na+共輸送(能動輸送) |
| 水 | 約99% | 近位尿細管〜集合管 | 浸透圧差(ADH依存) |
| Na+ | 約99% | 全尿細管 | Na+-K+ ATPase(能動輸送) |
| 尿素 | 約50% | 近位尿細管・集合管 | 受動拡散 |
| クレアチニン | ほぼ0% | — | 再吸収されない |
表: 主要物質の尿細管再吸収率の比較
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