問題
健康成人の尿で正しいのはどれか。
- ブドウ糖が大量に含まれる。
- 尿酸が含まれる。
- 組成は血液と等しい。
- pHは一定である。
解答: 2(尿酸が含まれる。)
解説
- 誤り。健康成人では糸球体で濾過されたブドウ糖は近位尿細管のNa+-グルコース共輸送体(SGLT)によりほぼ全量(100%近く)再吸収されるため、正常尿中にはブドウ糖はほとんど含まれない。尿糖が出現するのは血糖値が腎閾値(約170mg/dL)を超えた場合である。
- 正しい。健康成人の尿には尿酸が含まれる。尿酸はプリン体(核酸の構成成分)の最終代謝産物であり、糸球体で濾過された後、近位尿細管で再吸収と分泌の両方を受け、最終的に一部が尿中に排泄される。正常尿の主な成分は水(約95%)、尿素(最多の窒素代謝物)、尿酸、クレアチニン、電解質(Na+、K+、Cl-など)であり、ブドウ糖やタンパク質は正常では含まれない。
- 誤り。尿の組成は血液とは大きく異なる。尿細管での再吸収・分泌により、不要な代謝産物が濃縮され、必要な物質は血中に回収されている。
- 誤り。尿のpHは食事内容や代謝状態によって約4.5〜8.0の範囲で変動し、一定ではない。肉食中心では酸性側、菜食中心ではアルカリ性側に傾く。
ポイント
- 健康成人の正常尿には尿酸・尿素・クレアチニンなどの代謝産物が含まれるが、ブドウ糖やタンパク質は含まれない。
- 覚え方のコツ: 「正常尿に出ないもの=糖・タンパク・血球」と覚える。尿糖・尿タンパク・尿潜血はいずれも異常所見である。
- 関連知識: 尿酸の過剰蓄積は痛風の原因となる。尿酸はプリン体代謝の最終産物であり、第5章(代謝)の核酸代謝と関連する。
- よくある間違い: 尿のpHが「常に酸性」と思いがちだが、食事内容で大きく変動する。平均的には弱酸性(pH6前後)だが、一定ではない。
- 教科書では「c.尿細管の再吸収」の範囲に該当する。
| 尿中成分 | 正常尿での有無 | 備考 |
|---|---|---|
| 尿素 | 含まれる | 最多の窒素代謝物、肝臓の尿素回路で合成 |
| 尿酸 | 含まれる | プリン体の最終代謝産物 |
| クレアチニン | 含まれる | 筋肉のクレアチンリン酸の代謝産物 |
| 電解質(Na+、K+等) | 含まれる | 体液調節に応じて排泄量が変化 |
| ブドウ糖 | 含まれない | 近位尿細管でほぼ全量再吸収 |
| タンパク質 | 含まれない | 糸球体で濾過されない |
| 赤血球 | 含まれない | 糸球体を通過しない |
表: 健康成人の尿中成分の有無
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