問題
産熱と放熱について正しい組合せはどれか。
- 骨格筋の律動的収縮 – 基礎代謝量増加
- 蛋白質の摂取 – 特異動的作用
- 白色脂肪組織 – 不感蒸散
- 甲状腺ホルモン – ふるえ産熱
解答: 2(蛋白質の摂取 – 特異動的作用)
解説
- 誤り。骨格筋の律動的収縮(ふるえ)はふるえ産熱であり、基礎代謝量の増加とは異なる。ふるえ産熱は寒冷時に骨格筋が不随意に収縮することで熱を発生させる機構である。
- 正しい。食事の後に体熱発生が増加する現象を特異動的作用(食事誘発性産熱反応、DIT)という。三大栄養素の中でタンパク質は最も大きな特異動的作用を示し、摂取エネルギーの約30%が熱として放出される。糖質は約6%、脂質は約4%であり、タンパク質が突出して高い。これはアミノ酸の脱アミノ反応や尿素合成にエネルギーを要するためである。
- 誤り。白色脂肪組織はエネルギーの貯蔵を行う組織であり、不感蒸散とは無関係である。不感蒸散は皮膚や呼気からの水分蒸発による放熱である。なお産熱に関わるのは褐色脂肪組織(非ふるえ産熱)である。
- 誤り。甲状腺ホルモンは代謝亢進を介した非ふるえ産熱に関与する。ふるえ産熱は骨格筋の律動的収縮によるものである。
ポイント
- 特異動的作用(食事誘発性産熱反応)はタンパク質で最大(約30%)であり、糖質(約6%)・脂質(約4%)より大きい
- 覚え方のコツ: 「タンパク質を食べると体が熱くなる」→特異動的作用はタンパク質が最大。対比として「甲状腺=非ふるえ」「骨格筋=ふるえ」「褐色脂肪=非ふるえ」
- 関連知識: 放熱は環境温25℃で放射約50%、伝導・対流約30%、蒸発約20%の割合である
- よくある間違い: 白色脂肪組織と褐色脂肪組織の役割を混同しやすい。白色=貯蔵、褐色=産熱(非ふるえ産熱)
| 産熱機構 | 関連する器官・物質 | 特徴 |
|---|---|---|
| 基礎代謝 | 全身の臓器 | 安静時の最低限の代謝による産熱 |
| ふるえ産熱 | 骨格筋の律動的収縮 | 寒冷時の不随意な筋収縮 |
| 非ふるえ産熱 | 褐色脂肪組織、甲状腺ホルモン | 代謝亢進による産熱 |
| 特異動的作用 | 食事(特にタンパク質) | 食後の体熱産生増加(タンパク質で約30%) |
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