問題
脂質について正しい記述はどれか。
- 脂肪酸は主に解糖系で代謝される。
- コレステロールはサイロキシンの前駆物質である。
- 脂質は蛋白質と結合した形で血液中を運搬される。
- 中性脂肪は1 分子のグリセロールと5分子の脂肪酸からなる。
解答: 3(脂質は蛋白質と結合した形で血液中を運搬される。)
解説
- 誤り。脂肪酸はミトコンドリア内でβ酸化により分解される。解糖系はグルコースをピルビン酸に分解する経路であり、脂肪酸の代謝経路ではない。
- 誤り。コレステロールは胆汁酸やステロイドホルモン(副腎皮質ホルモン・性ホルモンなど)の前駆物質である。サイロキシン(甲状腺ホルモン)はアミノ酸のチロシンにヨウ素が結合して合成されるものであり、コレステロールとは無関係である。
- 正しい。脂質は水に不溶であるため、血液中ではアポタンパク(アポリポタンパク)と結合してリポタンパクの形で運搬される。リポタンパクにはカイロミクロン・VLDL・LDL・HDLなどの種類がある。このリポタンパクは複合脂質の一つに分類される。
- 誤り。中性脂肪(トリグリセリド)は1分子のグリセロールと3分子の脂肪酸がエステル結合したものである。「トリ」は3を意味する。
ポイント
- 脂質は水に不溶のため、血液中ではリポタンパク(アポタンパク+脂質)の形で運搬される
- 覚え方のコツ: 「トリグリセリド」の「トリ=3」→脂肪酸3分子。コレステロールの前駆物質は「ステロイド」ホルモン(名前が似ている)
- 関連知識: コレステロールは細胞膜の構成成分でもあり、膜の流動性調節に関与する
- よくある間違い: コレステロールを甲状腺ホルモンの前駆物質と混同しやすいが、甲状腺ホルモンはチロシン+ヨウ素から合成される
| 分類 | 代表例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 単純脂質 | 中性脂肪(トリグリセリド) | グリセロール+脂肪酸3分子 |
| 複合脂質 | リン脂質、糖脂質、リポタンパク | 細胞膜の主成分(リン脂質)、血中運搬(リポタンパク) |
| 誘導脂質 | 脂肪酸、コレステロール、脂溶性ビタミン | コレステロール→ステロイドホルモン・胆汁酸の前駆物質 |
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