問題
体温について正しいのはどれか。
- 口腔温は直腸温より高い。
- 体幹の皮膚温は四肢の皮膚温より低い。
- 摂食により体温は上昇する。
- 基礎代謝亢進により体温は低下する。
解答: 3(摂食により体温は上昇する。)
解説
- 誤り。口腔温は直腸温より低い。核心温度の高い順は直腸温(37.0-37.5℃)> 口腔温(36.5-37.0℃)> 腋窩温(36.0-36.7℃)である。
- 誤り。体幹の皮膚温は四肢の皮膚温より高い。体幹は深部温に近く、末梢(四肢)ほど外気温の影響を受けて低くなる。
- 正しい。摂食により体温は上昇する。食物の消化吸収・代謝過程で熱が産生される現象を食事誘発性熱産生(DIT: Diet Induced Thermogenesis / 特異動的作用)と呼ぶ。特に蛋白質摂取時のDITが最も大きく、摂取エネルギーの約30%が熱として放散される。糖質では約6%、脂質では約4%である。この現象は産熱機構の一つとして重要である。
- 誤り。基礎代謝が亢進すると産熱が増加し体温は上昇する。低下ではない。甲状腺機能亢進症では基礎代謝亢進により体温上昇がみられる。
| 測定部位 | 正常値 | 特徴 |
|---|---|---|
| 直腸温 | 37.0-37.5℃ | 深部体温に最も近い |
| 口腔温 | 36.5-37.0℃ | 直腸温より約0.5℃低い |
| 腋窩温 | 36.0-36.7℃ | 最も低い(外気温の影響を受けやすい) |
ポイント
- 核心温度は直腸温 > 口腔温 > 腋窩温の順であり、産熱には基礎代謝・筋収縮・食事誘発性熱産生・非ふるえ産熱がある。
- 覚え方のコツ: 体温の高さは「直(ちょく)> 口(こう)> 腋(えき)」→ 体の奥(直腸)から外(腋窩)へ向かうほど低くなるとイメージする。
- 関連知識: 体温の日内変動は0.5-0.7℃であり、日中高く早朝低い。女性では黄体期にプロジェステロンの作用で約0.5℃上昇する(基礎体温の二相性)。
- よくある間違い: 口腔温と直腸温の大小関係を逆にする誤り。直腸は外気と接触しないため最も深部温に近く、常に口腔温より高い。
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント