問題
小腸粘膜で吸収される物質はどれか。
- でんぷん
- 麦芽糖
- ブドウ糖
- 庶糖
解答: 3(ブドウ糖)
解説
- 誤り。でんぷんは多糖類であり、そのまま吸収されない。唾液や膵液のアミラーゼによりマルトースに分解された後、さらに小腸上皮のマルターゼでグルコースに分解されて初めて吸収される。
- 誤り。麦芽糖(マルトース)は二糖類であり、小腸上皮細胞の刷子縁膜に存在するマルターゼによりグルコース2分子に分解されてから吸収される。
- 正しい。糖質は単糖類(グルコース、ガラクトース、フルクトースなど)に分解されて初めて吸収される。ブドウ糖(グルコース)は単糖類であり、小腸粘膜の上皮細胞から主に能動輸送によって速やかに吸収され、門脈血中に入る。グルコースの吸収は刷子縁膜の担体によりNa+との共輸送(二次性能動輸送)で行われる。
- 誤り。庶糖(ショ糖、スクロース)は二糖類であり、小腸上皮細胞のスクラーゼによりグルコースとフルクトースに分解されてから吸収される。
ポイント
- 糖質の吸収には単糖類(グルコース・ガラクトース・フルクトース)まで分解されることが必須である。
- 覚え方のコツ: 「多糖→二糖→単糖」の順に消化が進む。吸収されるのは必ず「単糖」である。「でんぷん→マルトース→グルコース」を一連の流れとして覚える。
- 関連知識: グルコースとガラクトースは能動輸送、フルクトースは促進拡散により吸収される。吸収速度はグルコース>ガラクトース>フルクトースの順である。
- よくある間違い: 麦芽糖や庶糖は「糖」の名がつくため吸収されると誤解しやすいが、これらは二糖類であり、さらに分解が必要である。
| 分類 | 具体例 | 分解酵素 | 分解産物 | 吸収の可否 |
|---|---|---|---|---|
| 多糖類 | でんぷん | アミラーゼ(唾液・膵液) | マルトース | 不可 |
| 二糖類 | マルトース(麦芽糖) | マルターゼ(小腸) | グルコース | 不可 |
| 二糖類 | スクロース(庶糖) | スクラーゼ(小腸) | グルコース+フルクトース | 不可 |
| 二糖類 | ラクトース(乳糖) | ラクターゼ(小腸) | グルコース+ガラクトース | 不可 |
| 単糖類 | グルコース(ブドウ糖) | ― | ― | 可(能動輸送) |
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