問題
胃液分泌を抑制するのはどれか。
- 食塊による胃壁の伸展
- 迷走神経の活動亢進
- ガストリンの分泌
- セクレチンの分泌
解答: 4(セクレチンの分泌)
解説
- 誤り。食塊による胃壁の伸展は胃相における胃液分泌の促進因子である。胃壁伸展が刺激となりガストリン分泌が増加し、壁細胞からの塩酸分泌が亢進する。
- 誤り。迷走神経(副交感神経)の活動亢進は胃液分泌を促進する。頭相において迷走神経を介して直接的に、また内分泌細胞を介して間接的に胃液分泌を増加させる。
- 誤り。ガストリンは幽門部粘膜のガストリン分泌細胞から分泌され、壁細胞に作用して塩酸分泌を促進する消化管ホルモンである。
- 正しい。セクレチンは十二指腸粘膜の内分泌細胞から分泌される消化管ホルモンである。胃の内容物が十二指腸に送られ、酸や脂肪が十二指腸粘膜を刺激するとセクレチンが分泌される。セクレチンは胃液分泌を抑制するとともに、膵臓に作用してHCO₃⁻に富む膵液の分泌を促進する。この抑制は腸相における胃液分泌調節の重要な機構である。なお、GIP(胃抑制ペプチド)も同様に十二指腸から分泌され胃液分泌を抑制する。
ポイント
- 胃液分泌の3相(頭相・胃相・腸相)のうち、腸相ではセクレチンやGIPが胃液分泌を抑制する方向に働く。
- 覚え方のコツ: 「促進3兄弟(迷走神経・ガストリン・ヒスタミン) vs 抑制はセクレチン&GIP」と対比で覚える。
- 関連知識: セクレチンは1902年に発見された最初のホルモンであり、膵液分泌促進と胃液分泌抑制の二重の役割を持つ。
- よくある間違い: ガストリンとセクレチンの作用を混同しやすい。ガストリンは胃酸分泌「促進」、セクレチンは胃酸分泌「抑制」である。
| 因子 | 作用 | 分泌相 |
|---|---|---|
| 迷走神経(副交感神経) | 促進 | 頭相・胃相 |
| ガストリン | 促進 | 胃相 |
| ヒスタミン | 促進(壁細胞H₂受容体) | 胃相 |
| 胃壁の伸展 | 促進 | 胃相 |
| セクレチン | 抑制 | 腸相 |
| GIP(胃抑制ペプチド) | 抑制 | 腸相 |
| 交感神経 | 抑制(血流減少) | ― |
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