問題
胃液分泌を促進するのはどれか。
- 交感神経活動の増加
- セクレチン分泌の増加
- 食物による胃壁の伸展刺激
- 酸による十二指腸粘膜の刺激
解答: 3(食物による胃壁の伸展刺激)
解説
- 誤り。交感神経(内臓神経)は胃粘膜血流を減少させ、胃液分泌を抑制する。胃液分泌を促進するのは副交感神経(迷走神経)である。
- 誤り。セクレチンは十二指腸から分泌され、膵液分泌は促進するが、胃液分泌に対しては抑制的に作用する(腸相の抑制機構)。
- 正しい。食物が胃に入って胃壁が伸展されると、壁内神経叢の反射や幽門部のG細胞からのガストリン分泌が起こり、胃液分泌が促進される。これは胃液分泌の「胃相」に該当し、食事時に分泌される胃液の大部分を占める。胃液分泌は頭相(味覚・嗅覚・視覚刺激→迷走神経)、胃相(胃壁伸展・化学刺激→ガストリン)、腸相(十二指腸での抑制が主)の3相に分けられる。
- 誤り。酸が十二指腸粘膜を刺激するとセクレチンやGIPの分泌が促され、これらは胃液分泌を抑制する(腸相の抑制機構)。
ポイント
- 胃液分泌の3相(頭相・胃相・腸相)のうち、胃相(胃壁伸展+ガストリン)が分泌量の大部分を占める。
- 覚え方のコツ: 「促進=迷走神経+ガストリン+ヒスタミン」「抑制=交感神経+セクレチン+GIP」と2群に分けて覚える。
- 関連知識: ヒスタミンは胃底部・胃体部の細胞から分泌され、壁細胞のH2受容体に作用して塩酸分泌を促す。H2受容体拮抗薬は胃潰瘍の治療薬として使用される。
- よくある間違い: セクレチンを「分泌を促進するホルモン」と名前から誤解しやすいが、セクレチンが促進するのは膵液分泌であり、胃液分泌は抑制する。
| 相 | 刺激 | 機序 | 作用 |
|---|---|---|---|
| 頭相 | 味覚・嗅覚・視覚 | 迷走神経→直接+ガストリン分泌 | 促進 |
| 胃相 | 胃壁伸展・化学刺激 | 壁内神経叢反射+ガストリン分泌 | 促進(最大量) |
| 腸相 | 酸・脂肪の十二指腸流入 | セクレチン・GIP分泌 | 抑制が主 |
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