問題
消化管ホルモンが消化液分泌に及ぼす作用で正しいのはどれか。
- ガストリンは胃液分泌を抑制する。
- コレシストキニンは膵液分泌を抑制する。
- セクレチンは膵液分泌を促進する。
- ソマトスタチンは胃液分泌を促進する。
解答: 3(セクレチンは膵液分泌を促進する。)
解説
- 誤り。ガストリンは胃幽門部粘膜のガストリン分泌細胞から分泌され、壁細胞に作用して塩酸(胃酸)の分泌を「促進」する。抑制ではない。
- 誤り。コレシストキニン(CCK)は小腸粘膜から分泌され、膵外分泌腺に働いて消化酵素に富む膵液の分泌を「促進」する。さらに胆嚢を収縮させて胆汁排出も促す。
- 正しい。セクレチンは十二指腸粘膜の内分泌細胞から分泌される消化管ホルモンである。酸性の胃内容物が十二指腸に流入すると分泌が刺激される。セクレチンは膵臓の導管細胞に作用し、HCO3-(重炭酸イオン)と水分に富む膵液の分泌を促進する。この膵液により十二指腸内の酸性糜粥が中和され、膵消化酵素の至適pH環境が整えられる。なお、セクレチンは1902年にベイリスとスターリングにより発見された最初のホルモンである。
- 誤り。ソマトスタチンは消化器系の分泌腺に働いて分泌を「抑制」するホルモンである。胃液分泌を促進するのではなく抑制する。
ポイント
- セクレチンはHCO3-に富む膵液分泌を促進し、コレシストキニンは消化酵素に富む膵液分泌を促進する。両者の作用の違いを区別することが重要である。
- 覚え方のコツ: 「セクレチン→水(すい)と重曹で中和」「CCK→酵素(こうそ)と胆嚢収縮」と語呂で対比する。
- 関連知識: ガストリンは迷走神経の活動亢進でも分泌が増加し、胃液分泌の胃相で主要な役割を担う。
- よくある間違い: ソマトスタチンを「促進」と誤解しやすい。ソマトスタチンは視床下部・膵臓・消化管粘膜に存在し、いずれの場所でも基本的に「抑制性」に作用する。
| ホルモン | 分泌部位 | 主な作用 |
|---|---|---|
| ガストリン | 胃幽門部 | 胃酸(塩酸)分泌促進 |
| セクレチン | 十二指腸 | HCO3-に富む膵液分泌促進、胃酸分泌抑制 |
| コレシストキニン(CCK) | 小腸 | 酵素に富む膵液分泌促進、胆嚢収縮 |
| GIP | 十二指腸 | 胃液分泌・胃運動抑制 |
| ソマトスタチン | 消化管粘膜ほか | 消化液分泌全般を抑制 |
『理由で解く 生理学』 Kindle版
本書は、生理学の各テーマを「機序・因果」の観点から再構成し、
知識の断片化を防ぎながら、臨床・学習現場で再利用しやすい理解を目指しています。初学者の学習補助だけでなく、授業設計・復習教材としても活用いただければ幸いです。
Kindle Unlimitedでも使えます。
理由で解く 生理学: 国家試験問題 941問 完全攻略 理由で解く国試過去問






コメント